
アバンギャルドな斑点模様のマレーバクの赤ちゃんにも和んだが、生まれたてのこちらの亀ズも美しいアートな甲羅の持ち主だった。
今月半ばアメリカのヒューストン動物園からうれしいニュースが舞い込んだ。なんと絶滅危惧種のホウシャガメのミスターピクルス(90歳)に初のお子さんが誕生したのだ。ちなみに母親は53歳だそうだ。
園内で最高齢のピクルス氏がなんと3児の父親に!きゅうりの漬物を意味する父の名にちなみ「ディル」「ガーキン」「ハラペーニョ」と命名された赤ちゃんトリオに癒されよう。
Oldest resident at the Houston Zoo is a new dad!
こちらがこのほど生まれた3匹の赤ちゃんホウシャガメ、ディル、ガーキン、ハラペーニョ。性別については不明だが特筆すべきはその命名センスだ。
香草(ディル)、きゅうり(ガーキン)、香辛料(ハラペーニョ)と、父親の名前ピクルス(海外のきゅうりの漬物)にちなんだ食材名なあたりに愛とこだわりを感じる。
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なお飼育スタッフは3匹をそれぞれ甲羅で区別できるそう。
わかりやすい順番でいえば、3匹のうちいちばん黒っぽい甲羅がハラペーニョ。残りのディルとガーキンの甲羅は似た感じだがガーキンは甲羅の中央に白っぽい斑点があるんだそうだ。
90歳のピクルス氏と夫人の間に生まれた初めての赤ちゃん
3月16日に赤ちゃん誕生を報じたアメリカのヒューストン動物園によると、このたび親御さんになったホウシャガメのピクルス氏(現在90歳)は36年前にこの園にやってきたという。
園内で最高齢。90歳のホウシャガメのピクルス氏
それから9年後にやってきたピクルス夫人(現在53歳)と仲睦まじく暮らしていたが、今まで2匹の子どもを授かることはなかった。ただ夫人のほうは、どの時点かは不明だがかつて子どもを1匹産んだことがあるそうだ。
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今回のめでたい異変に気づいたのは爬虫類の専属スタッフで、閉園間際にたまたまピクルス夫人の産卵を目撃。
そこで見つかった卵は、駆けつけたケアチームによってただちに爬虫類・両生類館ブースに移された。
この判断について、スタッフは産卵場所が彼らの原産地マダガスカルの土壌ならそのままでも孵化するが、ヒューストン動物園は環境からして異なるため、放っておけば孵化できなかっただろうと語っている。

絶滅危惧種ホウシャガメの子孫。遺伝子学的にもビッグニュースに
園内で最高齢のミスターピクルス(90歳)の赤ちゃんが卵から孵化しました!3匹の新米パパです。
絶滅危惧種のホウシャガメであるピクルス氏は、ヒューストン動物園の@zoos_aquariums (AZA) Species Survival PlanR (SSP:種の保存計画プログラム)にとっても貴重な存在だ。
そのためこの朗報は亀の遺伝学的見地からしてもビッグニュースになるそう。
星のような甲羅が特徴のホウシャガメ。長生きで188歳の記録も
カメ目 リクガメ科 ホウシャガメ科 マダガスカルリクガメ属に分類されるホウシャガメは、主にマダガスカル島に生息する。
特徴はその名のとおり甲羅にある美しい放射状の模様だ。その模様がきらめく星に見えることから「マダガスカルホシガメ」という別名もある。

ただその模様がはっきり出るのはある程度大きくなってからで、歳をとるにつれわかりにくくなるそうだ。
成体の甲羅の長さは平均約41cm。体重は16kgほど。草食性で主に果物やサボテンなどの多肉植物を食べる。寿命は長く最長で188歳という記録がある。
野生のホウシャガメは依然として絶滅の危機に
同園スタッフによると、ホウシャガメはもともと繁殖力が低めな亀だという。
飼育下の繁殖で個体数は少しずつ増えてるものの、野生下では違法販売目的の乱獲でどんどん減っているため専門家の見立てでは依然として絶滅の危機にある。

かなりの長生きにもかかわらず、個体数の著しい減少から絶滅危惧種となった原因は、他の多くの危惧種同様、生息地の破壊や食用目的の密猟、ペット目的での乱獲など人間によるものと考えられている。
ちなみに赤ちゃん亀ズの公開はもうすこし少し先だという。充分な大きさになるまでスタッフがお世話した後、ファミリーそろってお披露目になるようだよ。
References:npr / wikipedia / usatoday / youtube / dailymail / upworthyなど /written by D/ edited by parumo

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