ヘンリー王子が英国にお忍びで帰国し、ロンドンの高等法院で行われた予備審問にサプライズで出席した。王子は昨年エルトン・ジョンら著名人とともに、英タブロイド紙の発行元「Associated Newspapers Limited(ANL)」を提訴した。4日間にわたる予備審問の初日となったこの日、ヘンリー王子は高等法院の前にブラックキャブ(黒タクシー)で到着すると、集まった報道陣に「おはよう」と挨拶をしながら建物の中へと歩いて行った。

現地時間27日午前、ヘンリー王子ロンドンの高等法院の前に突然姿を現した。王子の帰国や出廷については公になっておらず、全く予期せぬ出来事だった。

王子は昨年10月、歌手エルトン・ジョンを含む複数の著名人と共に、英紙『Daily Mail』『Mail on Sunday』『Mail Online』の発行元「Associated Newspapers Limited(以下、ANL)」に対して「プライバシー侵害」を訴える法的措置を開始した

この訴訟は、ANLが長年にわたり、著名人の情報を入手するために盗聴や個人情報の入手など、様々な手段で犯罪行為を行ってきたことを告発するものだ。

ヘンリー王子に加え、歌手エルトン・ジョンと夫で映画制作者のデヴィッド・ファーニッシュ女優エリザベス・ハーレイ、女優サディフロスト、ドリーンローレンス男爵夫人が同社を提訴している。

予備審問の初日となる27日の午前には、ヘンリー王子がロンドンの高等法院前にサプライズで姿を現したのだ。

黒いベンツの“ブラックキャブ”が道路沿いに停まると、女性1人と数人の男性達に囲まれる中、王子が車から降り立った。王子は白いシャツにネイビーブルーのネクタイを締め、黒いコートとズボンを着用している。多くのパパラッチや記者が集まる中、王子は笑顔で「みなさん、おはよう」と挨拶すると、急ぎ足で建物の中へと向かった。この時には、王子が正面にいるパパラッチとぶつかりそうになるという場面もあった。

エルトンはこの後、正午頃に高等法院の前に姿を現した。英国の公共放送ニュースチャンネルBBC News』や英ニュースチャンネル『Sky News』などによると、ヘンリー王子は法廷の後部にある、記者団の席からわずか3席だけ離れた椅子に着席した。法的主張を聞く間、時々黒いノートにメモを記していたという。

王子から2席離れた椅子にはサディが座っており、ローレンス男爵夫人の姿も見られたそうだ。この日は、同社を提訴した著名人らは正式に出廷を要求されておらず、法廷では彼らの弁護士デビッド・シャーボーン氏が主張を述べた。

4日間にわたる予備審問では、法的主張が検討され、裁判官がこれ以上裁判を進めるかどうかを決定することになる。

ANLは、裁判を行わずに訴訟を打ち切ることを求めている。昨年10月にヘンリー王子らが同社を提訴後には、同社の広報担当者が声明文を発表し「とんでもない中傷だ」と強く反論すると、このように主張していた。

「これらは、およそ30年前に起きた盗聴スキャンダルに『Mail』の名前を引きずり込もうとする、計画された組織的な試み以外の何ものでもない。このように非常に中傷的な主張は信頼できる証拠に基づくものではなく、単に探りを入れているだけである。」

画像2枚目は『Sky News 2023年3月27日付Twitter「Associated Newspapers deny the allegations and a preliminary High Court hearing starting today,」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)

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