乃木坂46“最後の2期生”鈴木絢音が28日、グループを卒業した。東京・LINE CUBE SHIBUYAで開催した「乃木坂46 鈴木絢音 卒業セレモニー」では、2000人の観客を前に、2期生曲「アナスターシャ」「ゆっくりと咲く花」など全14曲を披露。アンコール終了後、鈴木の卒業を祝福しようと6名の2期生OGもサプライズで駆け付けた。

【写真】2期生OGのサプライズ出演に驚きの表情を見せる鈴木絢音 「乃木坂46 鈴木絢音 卒業セレモニー」フォト12枚

 公演日の“3月28日”は鈴木のオーディション合格から丸10年で、2期生の結成記念日にあたる節目。この記念日に卒業セレモニーを開催したいという鈴木の意向でイベントの日程が決まり、彼女自身の監修でセットリストを構築した。

 開幕の「Overture」が流れ、場内はグループカラーの“紫”に。パフォーマンスは、アンダーメンバーのアルバム『僕だけの君~Under Super Best~』に収録された鈴木のセンター曲「自惚れビーチ」でスタートし、鈴木が「2期生の(グループ加入後)初パフォーマンス曲」と解説した「走れ!Bicycle」で躍動した。

 後輩と趣味を語り合ったMCを挟み、次のブロックでは、各期に「歌ってほしいというファン心」で鈴木が選んだ楽曲を次々と披露。5期生との「失いたくないから」、4期生との「キャラバンは眠らない」、3期生との「空扉」で後輩メンバーと晴れやかな表情を浮かべた。

 パフォーマンスへ戻り、ユニットコーナーへ。3期生・久保史緒里、4期生の佐藤璃果と共に東北地方出身の3人で歌い上げた「Am I Loving?」では微笑み合い、最後は「東北魂」のタオルで決めポーズ。続く「ボーダー」では、かつて“新4期生”として加入した黒見明香、佐藤、林瑠奈、松尾美佑、弓木奈於と共に6人で、しなやかに舞った。

 アンダー楽曲のブロックでは、自身の「好きな曲」で後輩メンバーに「歌い継いでいってほしい」と願い選曲した「新しい世界」「自由の彼方」を披露。シングル表題曲で自身初の選抜入りを果たした「ジコチューで行こう!」の間奏では3期生・与田祐希の頬にキスし、「羽根の記憶」ではりりしい表情を見せた。

 本編最後となった2期生曲「アナスターシャ」の披露直前には「2期生はみんな卒業して、私1人で。2期生曲のオリジナルメンバーも私しかいなくて、披露するのはちょっと緊張するしちょっと寂しいけど、頼もしい後輩のみんなの力を借りて、今日は歌わせてください」と、涙をこらえながら吐露。パフォーマンス後は、晴れ晴れとした表情で客席を見つめた。

■「人生で一番美しい10年間でした」


 メンバーがステージを離れ、場内にはアンコールを求める「乃木坂!」「46!」のコールが響いた。熱気を受けて、真っ白なドレスを着た鈴木がステージへ1人で登場。ステージ中央で思いをかみしめるように、客席をまっすぐ見つめながら2期生曲「ゆっくりと咲く花」をソロで歌い上げ、卒業についての思いを語った。

 オーディション合格から卒業までの10年間は「出会いに恵まれ乃木坂人生だった」と回想。メンバーやファン、スタッフが「変わり者って言われてどこに行ってもなじめなかった私を受け入れてくれた」と感謝し、「自分に誇れることは何一つとしてないけれど、私の周りにいてくれるやさしい皆さんのことが唯一の誇りです」と胸を張った。

 ファンに「私の乃木坂人生はどんなふうに映っていますか」と問いかけ、「私は私なりに喜びを見つめ、見つけながら乃木坂人生を楽しんできたつもりです」と吐露。グループでの生活は「人生で一番美しい10年間でした」と振り返り「皆さんの心にある私の乃木坂人生も、悲しい物語じゃなくて、輝かしい記憶であってほしいなと思います」と願いを込めた。

 活動には「脇目も振らず必死に全力で走ってきた」と述べ、「ちょっと苦手だなって思うこともやったことないなって思うことも乃木坂46のためになるならって頑張ってきました」と回想。「いざ卒業して1人になってどうやって頑張ればいいんだろうって頑張り方がわからなくなってしまう自分がいます」と明かし、「今はちょっとだけお休みして未来のことを考えてそんな時間が私には必要なのかなって思いました」と現状を伝えた。

 最後、この先「どんな未来を選択するのか。私の中でも決まっていませんが、頑張りたいって決心がついたときには皆さんの前に戻ってくると思います」と宣言。「最後にもう一つわがままを言っていいのなら、また、私のことを見つけてくれたらうれしいです。今度は皆さんに見つけていただけるように私が頑張らせてください」とメッセージを届けた。

 ステージで最後に披露したのは「私のことを10年間導き続けてくれた曲です。これからの乃木坂46キラキラと、輝き続けますように」と願いを込めた「君の名は希望」。後輩メンバーと微笑み合い、アイドルとしての有終の美を飾った。

■2期生OGがサプライズ登場


 公演終了かと思いきや、鈴木と同期の2期生OGの伊藤かりん、伊藤純奈、相楽伊織新内眞衣堀未央奈、山崎怜奈がサプライズで登場。彼女たちを見た鈴木は「知らない」「怖い」と、驚きつつも喜びの表情を浮かべた。

 2期生OGも1人1人、鈴木へのメッセージを送った。堀は「絢音は本当に強くて優しくて、人としてもアイドルとしてもブレがない。本当に、私としても、人としてすごく尊敬してる」と讃え、新内は「ここまで頑張ってくれてありがとう。絢音がいたからたぶん今日10周年の日に、こうやってみんな集まることができた」と感謝した。

 伊藤純奈は「今日こうやって真ん中に堂々と立って、後輩に『卒業しないでください』って言われてる絢音を見て、何だかとってもホッとした」と吐露。2018年の卒業後も「絢音ちゃんの活動も含めて乃木坂を見てたから、2期生を背負ってここまでやってくれて本当に感謝してます」と話した相楽は、「(同期の北野)日奈子とかも『気持ちだけ送る』と昨日言ってたから、2期生みんなの思いが届いたらいいなって思います」と当日参加できなかったメンバーの思いを代わりに伝えた。

 目をうるませた山崎は「今でも尊敬する友人でもあり、同期でもあり、これからも何かあったら支え合っていけたら」と語り、2019年卒業の伊藤かりんは「4年前の絢音ちゃんは『かりんちゃん助けて』ってよく言ってたイメージがあって、かわいい末っ子だなって思ってた」と明かし、今では「後輩に慕われてて、ご飯とかも誘っちゃってて、お姉さんになったなと安心しました」と鈴木の成長に思いを巡らせた。

 2期生OGがステージを離れたあと、ファンや後輩メンバーに見守られながら「次に進んでいく未来も、今日、卒業決めたことを後悔しないような人生にできるように、これから頑張っていきます」と語り、終演。観客の「絢音!」コールを受けて再び幕が空いたステージで、後輩メンバーと共にマイクを通さず「ありがとうございました!」と精いっぱいの感謝を伝え、記念すべき公演は大団円を迎えた。

■「乃木坂46 鈴木絢音 卒業セレモニー」セットリスト


 「乃木坂46 鈴木絢音 卒業セレモニー」セットリストは以下の通り。

Overture
01. 自惚れビーチ
02. 走れ!Bicycle
03. 失いたくないから
04. キャラバンは眠らない
05. 空扉
06. Am I Loving?
07. ボーダー
08. 新しい世界
09. 自由の彼方
10. ジコチューで行こう!
11. 羽根の記憶
12. アナスターシャ
EN1. ゆっくりと咲く花
EN2. 君の名は希望

「乃木坂46 鈴木絢音 卒業セレモニー」