乃木坂46・2期生の鈴木絢音卒業セレモニーが3月28日LINE CUBE SHIBUYAにて開催された。2013年3月28日乃木坂46新メンバーオーディションに合格した2期生で最後の一人となった鈴木。奇しくも合格から10年たった節目のタイミングに卒業を迎えることに。そんな鈴木のラストステージは、彼女がセレクトした思い入れの強い乃木坂46ナンバーで構成された。

【写真】鈴木絢音に労いの言葉を掛ける堀未央奈ら同期たち

鈴木絢音が思い入れのある楽曲をセレクト

客席が鈴木のペンライトカラーである白と紫で染まる中、卒業セレモニーは彼女が初めてセンターを務めた「自惚れビーチ」からスタート。この日は掛橋沙耶香、田村真佑を除く総勢37人がステージに立ち、華やかなパフォーマンスを繰り広げる。続いて、彼女が乃木坂46の一員として初めて観客の前でパフォーマンスした「走れ!Bicycle」を披露すると、客席からは「絢音コール」が飛び交った。

2曲終えた鈴木は「まだ卒業する実感が全然なくて。このセレモニーが進んでいくにつれて、実感が増していくんだろうな」と心境を吐露。続いて、「鈴木絢音 卒業セレモニー特別企画 後輩ちゃんともっとお話がしたい」と題したトークパートに突入し、後輩たちとともに「今ハマっている趣味」について語り合った。

続いてのブロックでは、鈴木が3~5期生とそれぞれ楽曲披露。まずは5期生とともに初期の楽曲「失いたくないから」をしっとりと歌い紡いでいく。また、4期生とは爽快感の強い「キャラバンは眠らない」を力強くパフォーマンス。そして、3期生とは「空扉」と息の合った歌とダンスで一体感を高める。鈴木は選曲および衣装を各期のイメージに沿ってセレクトしたと述べた。

■2期生楽曲「アナスターシャ」で本編に幕

イベント中盤では、自身が参加してきた思い出のユニット曲を後輩たちと一緒にパフォーマンス。「Am I Loving?」では久保史緒里、佐藤璃果という東北出身の3人で、笑顔にいっぱいで歌唱する。また、鈴木自身が研修生から正規メンバーへと昇格するタイミングに与えられた「ボーダー」では黒見明香、佐藤璃果、林瑠奈、松尾美佑、弓木奈於という坂道研修生を経験した4期生5人と一緒に、ポジティブさの伝わる表情で元気に歌い上げた。

最後の楽曲に入る前、鈴木は「今日は後輩のみんなとお話したり、こうして大好きな曲を披露することができて本当に幸せです。そして、それを皆さんに見届けていただけて、とてもうれしく思います」とここまでを振り返る。

続けて、「2期生はみんな卒業して、2期生曲のオリジナルメンバーも私しかいなくて、披露するのはちょっと緊張するし寂しいけど、頼もしい後輩の力を借りて今日は歌わせてください」のメッセージとともに、2期生楽曲「アナスターシャ」にて卒業セレモニー本編の幕をドラマチックに下ろした。

■純白のドレス姿でアンコールに登場

アンコールでは、純白のドレスに身を包んだ鈴木が2期生楽曲「ゆっくりと咲く花」を一人で歌唱。曲中、感情が込み上げる瞬間もあったが、笑みを絶やさず最後まで歌いきった。

その後、鈴木は会場のファンと配信でこのセレモニーを見ているファンに向けて、「10年間振り返ると、出会いに恵まれ乃木坂46人生だったなと思います」とメッセージを送る。

「自分に誇れることは何一つとしてないけれど、私の周りにいてくれる優しい皆さんのことが唯一の誇りです」と感謝を伝える彼女は、この10年を「私は私なりに喜びをみつけながら、乃木坂46人生を楽しんできたつもりです。だから悲しい物語じゃなくて、楽しい記憶であってほしい」と表現。

続けて、卒業後について「いざ卒業して一人になって、どうやって頑張ればいいんだろうって、頑張り方が分からなくなってしまう自分がいます。今はちょっとだけお休みして、未来のことを考えて、そんな時間が私には必要なのかなと思いました。まだどんな未来を選択するのか、私の中でも決まっていませんが、頑張りたいと決心がついたときには、皆さんの前に戻ってくると思います」と告げる。

「最後にもう一つ、わがままを言っていいのなら、また私のことを見つけてくれたらうれしいです。今度は皆さんに見つけていただけるように、私が頑張らせてください」と力強く卒業メッセージを締めくくった。

「これからの乃木坂46キラキラと輝き続けますように、そんな願いを込めて歌います」と、鈴木が乃木坂46人生最後の1曲として選んだのは、初期の代表曲「君の名は希望」だった。

新内眞衣堀未央奈ら同期がサプライズで登場

最後の曲を歌い終え、鈴木が「本当に終わってほしくないって願っちゃうほど、幸せな一日になりました」と笑みを浮かべて話すと、彼女へのサプライズとしてグループを卒業した同期の伊藤かりん、伊藤純奈、相楽伊織新内眞衣堀未央奈、山崎怜奈がステージに登場。驚きつつ涙を浮かべる鈴木に対して、次々と労いの言葉をかけていった。

そして、新キャプテンの梅澤美波も「絢音さんが守ってきた乃木坂46をこれからもしっかり守っていくので、見ていてください」と頼もしい言葉を寄せると、対する鈴木も「これからもみんなが楽しそうにしている姿を見るのが、私の楽しみです。これからも無理せず頑張ってね!」と優しい言葉を伝える。

最後に「本当に人生で一番美しい日になったんじゃないかなと思います。皆さまのおかげです」と鈴木が改めて感謝を口にすると、客席からは「新しい世界へ」「ありがとう」のメッセージが書かれたメッセージシートを掲げるサプライズも。「次に進んでいく未来も、今日卒業を決めたことを後悔しないような人生にできるように、これからも頑張っていきます!」と強い意志を伝えて、卒業セレモニーは終了した。

しかし、その後もアンコールを求める拍手や歓声は鳴り止まず、再びメンバーがステージに勢ぞろい。最後の最後に肉声で「ありがとうございました!」と感謝を届け、深々とお辞儀してから、改めてセレモニーを締めくくった。

これでグループ黎明期を築いた1、2期生は全員が卒業。翌日の3月29日には3~5期生のみで作り上げた32ndシングル「人は夢を二度見る」がリリースされる。

◆文=西廣智一

■「乃木坂46 鈴木絢音 卒業セレモニー」<セットリスト

3月28日(火)◇東京・LINE CUBE SHIBUYA

00.Overture

01.自惚れビーチ

02.走れ!Bicycle

03.失いたくないから

04.キャラバンは眠らない

05.空扉

06.Am I Loving?

07.ボーダー

08.新しい世界

09.自由の彼方

10.ジコチューで行こう!

11.羽根の記憶

12.アナスターシャ

アンコール

13.ゆっくりと咲く花

14.君の名は希望

「乃木坂46 鈴木絢音 卒業セレモニー」より/※提供写真