歴史を守るために戦う原案のゲーム「刀剣乱舞 ONLINE」を基にした、実写映画化第2弾「映画刀剣乱舞-黎明-」が、3月31日(金)より全国公開される。物語の舞台は“刀剣乱舞”シリーズとしては初めてとなる「現代」。前作以上に迫力あるVFXシーンや華麗な殺陣を織り交ぜながら刀剣男士たちの活躍を描く。

【写真】ギャル設定ということでかわいらしくピースをしてもらった

■絶対にこの役を勝ち取らなきゃ

WEBザテレビジョンでは、福岡在住の大学生・実弦(みつる)役で出演している柳美稀にインタビューを実施。キャスティングが発表された時、SNSでトレンドの1位になるなど、話題を集めたキャラクターの外見も含めた役作りや演じる上で心掛けたこと、撮影現場でのエピソードや最近ハマっているものなどを語ってもらった。

――本作への出演が決まった時の率直な感想は?

「本当ですか!私でいいんですか?」って思いました。うれしかったです!今回はオーディションだったんです。ギャル役ということで、今までやらせていただいた役柄と近い部分があったので、絶対にこの役を勝ち取らなきゃっていう思いで臨みました。

――解禁された時、SNSでトレンド1位になりましたね。

あんなに盛り上がるなんてびっくりしました。「刀剣乱舞」という作品に女性が出て来なかったゆえの反応だったのかなって。この作品に女の子が出ても大丈夫なのか、大きな反響に応えることができるのか。完成してしまったから、もうどうすることもできないので胃がキリキリしそうですけど(笑)、楽しんでいただけたらうれしいです。

――完成した作品を見た感想は?

現代の普通の街に刀剣男士はいないので、撮影現場ではまだイメージが湧かなかったんですが、出来上がったものを見たら全然違和感はなかったです。CGを使ったシーンが多いということで、映像をイメージしながら芝居をすることが多くて。あの場面はこんなふうになったんだという面白さがあって見ていて飽きない。個人的には、良い役を頂いたなと思っています。

――今回演じた実弦の特徴は?

福岡に住んでいる大学生で典型的なギャル。明るい性格で、結構シリアスなシーンでも場の空気を乱すというか空気を読まない。監督からも全然気にしなくていいから思いっきりやってと仰っていただいたので、常にテンションは高めでした。

私以外はみんなシリアスなお芝居。その空気に引っ張られないよう、自分が思っている以上にテンションを上げる作業が大変でした。

■「長い爪だと頭が洗いにくいんです(笑)」

――メイクもギャル風?

実弦はギャル雑誌「egg」のモデルに憧れる福岡のギャル。だから、ちょっと薄めのメイクですけど、それでも他の子よりは濃い。「つけま」を上下に付けてカラコンも。ジェルネイルで長い爪にしていました。

爪は撮影中だけではなくて私生活でもずっとそのまま。長い爪だと頭が洗いにくいんです(笑)。シリコンシャンプーブラシを買って、それを使っていました。今ではすっかりそのブラシの虜になって、もう手放せない。長い爪のおかげで新しいものに出会うこともできました。

――撮影現場の雰囲気は?

刀剣男士キャストの皆さんは明るくて優しい方たちばかり。その空気感はスタッフさんたちにも伝わるので、和気あいあいとした温かい時間が流れていました。

私は「へし切長谷部」役の和田(雅成)さんと一緒のシーンが多かったです。和田さんは本作では完全に雨男と言われてて。和田さんは私のことを雨女だと言っていましたけど、スタッフさんいわく和田さんがいた他のシーンでも雨が降っていたということなので確定だと思います(笑)。とても明るくてお話してくださる方なので楽しい現場でした。

■やり直せるとしたら勉強したい

――「刀剣乱舞」は「歴史の改変」がキーワードになっていますが、自分の人生を修正できるとしたら?

学生時代にちゃんと勉強をしておけばよかったなって思います。特に英語は、海外の方としゃべろうとしても単語が出て来なかったり、歴史も苦手でしたね。学生の頃って時間がたっぷりあったし、自由に勉強したり、やりたいことができた。やり直せるとしたら勉強したいですね。

――大人になると「勉強したい!」っていう気持ちになるけど、学生時代はその意欲がついてこない?

そうなんです。成長期ゆえに「眠い」が勝っちゃうんですよね(笑)。私は12時間以上寝ていました。おかげで、今の身長(167cm)になったから、それはそれでよかったなって思います。

――そういえば、1月からはゲーム配信もされていますが周囲の反響は?

配信を始めたことで、ゲーム配信をしている方やゲーム好きの皆さんが声を掛けてくださって。“ゲームの輪”というか、かなり交友関係が広がりました。

――ゲームをやっていると素が出ると思いますが、どんなプレースタイル?

負けず嫌いです。対戦していて負け続けたら絶対に勝つまで終わりません(笑)。でも、悔しいからと言って暴言を吐いたり、荒れたりはしませんよ。もちろん悔しいですけど、すぐに気持ちを切り替えて次のプレーを楽しんでいます。

――ゲーム以外で最近ハマっているものは?

配信で映画を見ることが多いです。特にディズニー作品が好きなので「ディズニープラス」は良く見ますね。先日「モアナと伝説の海」を見ました。劇中で流れる歌が大好きです。ディズニー作品の中で一番好きなのは「塔の上のラプンツェル」で、何回も見返しています。

あと、実写系も好きで「マンダロリアン」はシーズン2まで見ました。新作も早く見たいです。日常とかけ離れたファンタジーな世界観が好きなので「スター・ウォーズ」「マーベル」シリーズ、もうワクワクしちゃいます(笑)。

■見ている人を惑わすような役者になりたい

――映画が公開された後は、舞台「なんだコイツ」(4月12日[水]~16日[日])に出演!

稽古はこれからでまだ台本もないんですけど(※取材時)、私が演じる役は結構場をかき乱すことが多い役柄です。登場人物の中では唯一暴れられるキャラクターかも。割と自由に好き勝手やっていいのかなと思っています。

下北沢駅前劇場の舞台に立つのは初めて。お客さんとの距離が近い分、表情一つ一つをしっかりと見られるプレッシャーはありますけどすごく楽しみです。

――以前のインタビューで「“この役と言えば柳美稀”と言ってもらえるような女優になりたい」と話していましたが、今の目標は?

その思いは今も、もちろん変わっていません。新たに加えるとしたら、役で嫌われるなら嫌われてもいいかなって思えるようになりました。

割と保身に走ってしまうタイプなので、今までは嫌われないようにしなきゃっていう思いが強かったような気がします。でも、劇中で嫌われる役なら見ている人にとことん嫌われたほうが役者としては成功なんだなと。「ホントにそういう人間なんじゃないの?」って思ってもらえるようなお芝居をしたいです。

ゲーム実況をしている私と演じている私。どっちが本当の柳美稀なのか。見ている人を惑わすような役者になりたいです。

◆取材・文=小池貴之

柳美稀にインタビューを実施/撮影=ブルータス・シーダ(STABLENT LLC)