昨シーズンのブッちぎり最下位から一転して「優勝を目指す」とブチ上げた、日本ハム新庄剛志監督。とはいえ、特に戦力がアップしたわけでもないため、野球解説者も優勝候補に挙げることはないのが現状だ。

 そんな新庄監督の現役時代、阪神のスター選手だった頃の、とある事件を振り返ったのは、掛布雅之氏のYouTubeチャンネル〈掛布雅之の憧球【公式】〉に出演した藤田平氏だった。いわゆる「正座事件」である。

 それは95年7月。新庄はこの年、足首のケガにより、2軍落ち。当時の藤田2軍監督は、練習に遅刻した時間だけ正座をすると、選手間で決めさせていた。

「長嶋(茂雄)さんの感覚で、遅れてきたり、忘れてきたらいい選手になるって、そういうのがおったんや」(藤田氏)

 ところが足首を傷めていた新庄はトレーナー室(医務室)に行っていたための、グラウンドへの遅刻だったというのだが、それでも正座の罰を受ける。これに藤田氏は、

コーチ会議やるのにその時間、トレーナーは医務室におらんぞ」

 2人の言い分は食い違うのだ。

 阪神の生え抜き打者として初の名球会入りを果たした藤田氏は、新庄の才能を認めており、

「足は速い、肩は強い。あとはバッティングだけでしょ。これをやったら、松井(秀喜)とかイチローと匹敵するような…」

 こう振り返ったのである。

 遺恨を残した新庄と藤田氏だったが、この年のオフに藤田氏が1軍監督に昇格すると、新庄が「センスがないから野球を辞める」と言い放つ、あの大騒動が起きたのだった。

(所ひで/ユーチューブライター)

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