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 アメリカのサウスカロライナ州にある動物愛護協会で、獣医師として働いていた女性が出会った1匹の保護犬は体調が良くなく、すぐに養子縁組ができない容態だった。

 だが、その犬のことがとても気になった女性は、一旦犬を連れ帰り、仮里親として家で面倒を見ることにした。

 だが出会ったときから犬に心を奪われていた女性は、一度は施設に犬を戻したものの、永遠の家族になりたいという思いが強くなる。

 すでに複数犬を飼っていることから反対する夫をなんとか説得し、この犬を家族として迎え入れる承諾を得た女性は、再び犬を車に乗せ、自宅へと向かった。

 犬はまた一緒に過ごせることがうれしかったのだろう。車内では、永遠の家を提供してくれた女性の手を、ずっと握りしめていたという。

【画像】 保護犬ロキとの出会い

 3月16日動物愛護協会を支援する診療所の獣医師として働いているアビゲイル・アレラーノさんは、サウスカロライナ州オコニー郡セネカにある「オコニー地域動物愛護協会」から連れてこられた保護犬のロキ(1歳)という犬に出会った。

 ロキは、施設に着いてすぐに病気になったという。

 吐き気止めの薬を飲んでいたが、病弱だったロキは、すぐに養子縁組を提供できる保護犬たちがいるフロアに戻ることができなかった。

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 体調の良くないロキをずっと施設に置いておくわけにはいかないので、アレラーノさんは自宅へ移そうと決め、夫に電話でロキのことを伝えた。

夫は、「君がその犬をずっと飼いたいという愛着を持たないのなら、一時的に家で世話を引き受けてもいい」と承諾してくれました。

でも、私はすでにロキに執着していて、永遠の飼い主になりたいと思っていました。(アレラーノさん)
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image credit:abigaleada12/TikTok

懇願に負けた夫、ロキに永遠の家を与える

 アレラーノさんによって自宅へ連れ帰られたロキは、家族が飼っている他の犬とも意気投合し、すぐにアレラーノさんの幼い息子と仲良くなった。

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 その光景を微笑ましく思ったアレラーノさんは、夫に「ずっとロキを飼っちゃダメ?躾もちゃんとできているようだし」と頼んでみたが、夫は「これ以上のペットを家で飼うのは無理だよ」と反対した。

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 アレラーノさんは、ロキの体調が少し回復すると仕方なく施設へと戻したが、自宅ではロキの世話を献身的に行っていたことから、ロキにとても愛情が沸いていた。

 アレラーノさんはもう一度、夫への説得を試みた。

電話で、夫に犬を飼うことができるかどうか、最後にもう一度尋ねました。

私の熱意に根負けして、夫は「いいよ」と言ってくれました。私は、仮里親としてではなく、ロキに永遠の家を提供する飼い主になったのです。

帰宅までの車内で手を握り続けるロキ

 ロキの飼い主になることが決まったその日、アレラーノさんはロキを車の助手席に乗せた。

 そして、やさしくロキの手を握りしめながら運転して自宅へ戻った。

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image credit:abigaleada12/TikTok

 その時の様子をTikTokでシェアすると、多くの反響を呼んだようだ。

 ロキは、アレラーノさんが運転中、ずっと手を握り続け、決して離すことはなかったという。

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image credit:abigaleada12/TikTok
私は今、この犬を引き取ったばかりです。犬は家に帰るまでずっと私の手を握っていました。ロキは、とてもやさしい男の子です。

 このようなキャプションをつけて動画投稿したアレラーノさん。

 わずか14 秒のクリップには、飼い主を愛情込めて見つめるロキの姿が捉えられている。

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 この動画を見たユーザーからは、「『ずっとこの日を待っていた』と言っているみたい」「動画見て感情的になったわ。きっといろんな気持ちが心の中にあるんだろうね」「ロキが永遠の家を見つけたことをとてもうれしく思う」「犬はあなたのそばが安全だということを知っているんだね」などといった声が寄せたれた。

 反響を呼んだ動画を見て喜んだアレラーノさんは、「これからロキを大切に飼うために最善を尽くします」と語っている。

References:Dog who held new owner's hand all the way home has TikTok in bits / written by Scarlet / edited by parumo

 
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また連れ帰ってくれてありがとう。家に着くまでの車内でずっと女性の手を握り続けていた保護犬