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 アメリカ・バージニア州の刑務所から受刑者2人が脱走する出来事が発生した。

 脱走に使った道具は、なんと歯ブラシだった。

 独房の壁に、歯ブラシの柄の部分を削って、トンネルを掘って刑務所からの脱出に成功。その後、刑務所から11kmほど離れた24時間営業のチェーンレストランに入店したが、顧客に通報され逮捕された。

 脱走から9時間後のことだった。

【画像】 歯ブラシを使って壁を掘り脱走

 3月20日、バージニア州ニューポート・ニューズにある刑務所の独房に収監されていたジョン・ガルザ(37歳)とアーリー・ネモ(43歳)は、歯ブラシを使って独房の壁にトンネルを掘った後、刑務所から脱走した。

 ニューポート・ニューズ保安官事務所の発表によると、囚人2名は歯ブラシの金属製の取っ手部分を使って壁を壊し、壁の間の固定されていない鉄筋を見つけたようだ。

 その後、2人は鉄筋を使って壁の小さな穴を壊し、よじ登って逃走を図った。

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pixabay

 同保安官事務所は、2層になった壁に、人間が通るほどの穴が開けられている様子をツイッターでシェア。

 脱獄した後、ガルザとネモは翌朝21日の午前4時20分に、刑務所から約11km離れた隣の地域ハンプトンにある24時間サービスの朝食チェーンレストラン「IHOP(アイホップ)」 に入った。

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image credit:Wikipedia

 だが、店にいた顧客が2人に気付き通報。最終的に、2人は20日の午後7時に脱獄してから9時間後に逮捕された。

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市民の協力に警察が感謝

 ゲイブ・モーガン保安官は、2人が再逮捕されたことについて、次のように述べた。

ニューポート・ニューズ警察、ハンプトン警察、ジェームス市郡警察が、受刑者の再逮捕を支援してくれたことに感謝します。

さらに、IHOPでガルザとニモを観察し、当局に通報してくれた市民にも感謝します。

それは、私たちがいつも言う『何かを見たら、報告する(See something, say something)』ということをまさに実行したものです。

ガルザとネモは、刑務所の構造に「建設設計の弱点」を発見し、悪用して脱出したようです。
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pixabay

 ニューポート・ニューズの施設管理およびエンジニアリングチームは、今回の脱走が発覚してからは施設のセキュリティを見直していて、確実に建物の補強をしていくと話している。

 保安官事務所はまた、将来の脱走を防ぐための内部調査と犯罪捜査を行っているという。

 ハンプトン出身のガルザは、法廷侮辱、保護観察違反、出頭拒否などの容疑で拘束されていた一方で、グロスター出身のネモは、クレジットカード詐欺、クレジットカード窃盗、偽造、強盗道具の所持、窃盗、法廷侮辱、保護観察違反などの罪で拘留されていた。

 しかし、2人が脱獄するまでそれぞれどのぐらいの期間、収監されていたのかは明らかにされていない。

 2人の脱獄目的がパンケーキだったのかどうかはわからないが、再逮捕された逃亡者2人には、さらなる懲罰が科せられることになるということだ。

References:Virginia inmates use toothbrush to dig tunnel out of jail, head to IHOP / written by Scarlet / edited by parumo

 
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