
FXを始めてしばらく経ち、トレードに慣れてくると「過去に似たような値動きがあった」と感じる場面が増えてきます。しかし、そのようなときほど素人トレーダーは大損する可能性が高いと、株式会社ソーシャルインベストメントの清水一喜氏はいいます。なぜなのでしょうか、みていきます。
プロトレーダーにとって「仮定」は「確率」に過ぎない
人は経験上、「OOという条件があればXXとなるだろう」という仮定を立てて日常に起こる問題を解決しています。FXにおいても、このような仮定をもとにトレードしている人は多いはずです。プロトレーダーは、このような仮定を確率として捉えて、日々のトレードに活かしています。一方、初心者トレーダーのなかには、仮定を確率ではなく、信念として考えてしまう人がいます。このような信念は「誤った思い込み」へと変化しやすく、大きな損失を招く要因になります。
今回は、日常生活で無意識的に行なっている「思い込み」をトレード時に排除する必要性を解説していきます。
日常生活の「意識的な行動」と「無意識的な行動」
人の行動には、大きくわけて「意識的な行動」と「無意識的な行動」が存在します。「意識的な行動」とは、自分が意図したことに対する行動のことで、「寝坊しないためにアラームをかける行動」や、「喉が渇いたから水を飲む行動」のことを指します。
対して、「無意識的な行動」とは、自分が意図していないのに起こす行動のことを指します。たとえば、「考えごとをするときに腕を組む行動」などが挙げられます。無意識的な行動は、なにかをしたいからしている訳ではありません。例に挙げた無意識的行動も、考えごとをしたいから腕を組んでいる訳ではありません。無意識的な行動は、本人が気づいていないだけで、日常生活のなかに数多く存在しています。
この「無意識的な行動」を、自分のなかで意識する習慣にすると、トレードにおいて成果を出せる可能性が大きく高まります。トレードにおける無意識的な行動を分析するために、まず、日常生活における無意識的な行動に目を当ててみると、新たな発見があるでしょう。
トレードにおける「思い込み」に気づく
日常生活と同様に、トレードでも無意識に行っていることは多くあります。しかし、ゼロサムゲームであるFXにおいて、無意識的行動はときにトレーダーを大きく狂わせてしまうことがあります。
たとえば、大きく相場が動いたときに「そろそろ反転するだろう」と根拠もなく逆張りのポジションを持とうとする人がいます。このようなトレーダーは、無意識のうちに、一方向に大きく動けばいずれ反転するので、逆張りをすれば儲かるだろう、という発想に支配されています。
トレードにおける無意識的行動は、「思い込みトレード」に結びつくことが多くあります。思い込みによるトレードが習慣づくと、自分では考えているつもりなのに、なかなか結果に結びつかない、という苦難に直面します。
また、思い込みによるトレードは、考え方を固執させる傾向があり、変化が激しい相場を柔軟に捉えることを阻害します。その結果、なかなか損切りができずに、どんどん含み損を膨らませてしまう、というケースに陥ります。
暴落・暴騰時、「経験」に頼ったトレードをすると大損するワケ
FXでは、まれに1日で300pips以上動く急落や急上昇する相場があります。このような一方的な動きが生まれる要因のひとつに、思い込みに支配されたトレーダーの存在が挙げられます。根拠もなしに今後の相場の動きを予想するトレーダーの多くは、自分の経験を頼りにしてしまいがちです。
一方向への動きが加速するとき、相場では「過去に似たような動きをしたから今回も同じように動くだろう」という、思い込みによるポジションが多く溜まります。このようなポジションは、相場に対して深い理由があるわけではないので、比較的簡単に損切りに巻き込まれてしまいます。
普段なら止まるはず、という根拠のない思い込みをする人が多ければ多いほど、皮肉にも暴落・暴騰は止まりません。大衆の心理を上手く利用するプロトレーダーは、暴落・暴騰時でも経験則ではなく、実際に起きていることに着目してトレードしているので、ときに暴落・暴騰時でも利益を上げることができるのです。
上下の変動が小さいときのトレードでは経験則が通用することもありますが、相場の世界から退場者を出すような暴落・暴騰時には経験則は通用しません。経験則が通用しない環境であるからこそ、止まらない一方向への流れが生まれる、といっても過言ではありません。
無駄な損切りを防ぐには「思い込み」を排除しよう
誰でも思い込みや経験則を使って、日常生活に起こる問題を解決したことがあるでしょう。しかし、FXの世界では、ひとつの思い込みが取り返しのつかないような損失を引き起こす可能性があります。相場の世界では、日常生活での常識が通用しないことがほとんどです。そのため、普段の生活とトレードするときで、明確に思考方法を変えていく必要があります。
さらに、初心者トレーダーであればあるほど、含み損が膨らむと正常な判断能力が阻害され、ひとつの考えに固執してしまう傾向があります。このような状態に陥ると、間違っているとわかってはいるのに、一度自分のなかで立てた「思い込み」を強く信じて、ほかの戦略に移ることができなくなってしまいます。
多くの人の思い込みが否定される場面で、相場は暴落や暴騰を起こします。相場の流れについていくためには、誰よりも早く自分の思い込みに気づき、適切で合理的な判断をしていく必要があるでしょう。
清水 一喜
株式会社ソーシャルインベストメント 執行役員



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