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(写真:アフロ)

「毎週開催は憲法のことなんか考えないサルがやることだよ」

週1回の開催が定着している衆院憲法審査会について、こう強弁したのは参院憲法審査会の野党筆頭幹事で立憲民主党の小西洋之議員(51)。これは3月29日に開かれた参院憲法審査会の幹事懇談会後、国会内で記者団に向けた発言だ。

報道によると、「憲法を真面目に議論しようとしたら毎週開催なんてできるわけがない。私は憲法学者だが、憲法学者でも毎週議論なんてできない。何も考えてない人たち、蛮族の行為、野蛮だ」「衆議院の憲法審査会は、誰かに書いてもらった原稿を読んでいるだけだ」とも述べたという。

憲法審査会を毎週開くことを“蛮族の行為”と痛烈に非難した小西氏だが、自らの発言が報じられるとネット上で批判が噴出する事態に。

《小西議員の「サル」「蛮族」発言はかなりヤバい。発言したのが自民党議員なら速攻でBBCとNYTにチクられて世界に拡散されるレベル》
《立憲は深刻に受け止めないとならない。「差別に対する私達のスタンスはこちらです」って表明になるからね》
《憲法審査会はサル並びに蛮族が行なっているのか。ところで「蛮族」とは何か? これこそ差別発言でなくてなんだ? 立民以外の議員は蛮族ということか。蛮族を選ぶ有権者もまた蛮族か》

多くの批判を受け、小西氏は同日に《衆院憲法審の毎週開催の「憲法を真剣に考えていないサルがやること、野蛮」などの発言ですが、オフレコで、特に「人にサルはいけないですね」と撤回していたものです》とTwitterで釈明。一方で《毎週開催は戦慄の害悪です》と綴っており、審査会の毎週開催に反対の姿勢を貫いた。

また、続くツイートでは、《当然、産経とフジテレビについては今後一切の取材を拒否します》と宣言。《放送法の解釈改変を始めすさまじい違憲、違法の数々の実態を全く報道せず、そうした異常な状況で「違憲の調査審議」という法的任務を無視し、濫用の危険の改憲案を推し進める衆院の毎週開催に警鐘を鳴らさない二社は報道機関ではない》と一蹴した。

「撤回していた」と主張した小西氏だが、自らの失言に他党からも反発の声が上がっている。

翌30日の衆院憲法審査会では、日本維新の会の三木圭恵氏(56)が「衆院憲法審に対する侮辱ではないか。謝罪を求めるべきだ」と抗議。国民民主党の玉木雄一郎氏(53)も、「与野党合意の中で真摯な議論を重ねてきた衆院憲法審に対する冒?だ」と強く非難した。さらに、“身内”である立憲民主党の長妻昭政調会長(62)も、同日の記者会見で「事実関係をまず確認したい」「党の考え方ではない」と述べた。

■高市氏への捏造追及も台無しに

小西氏といえば、放送法の政治的公平性の解釈に関する総務省の行政文書をめぐって、高市早苗経済安全保障相(62)に辞職を迫るなど舌鋒鋭く追及したことで注目を集めたばかり。

文書はこれまで位置付けが示されてこなかったが、小西氏が3月2日に「総務省職員から提供を受けた」として資料を公表。高市氏は「全くの捏造文書だ」と反発するも、7日に総務省は行政文書と認定した。

「同文書は2014~15年に安倍内閣が一部の民放番組を問題視し、当時の首相補佐官だった礒崎陽輔氏が総務省に対して放送法の解釈変更を働きかけた発言などを記録。当時総務相だった高市氏の発言や故・安倍晋三元首相との電話会談のやりとりもありました。小西氏の告発によって、不当な政治圧力の疑惑が浮き彫りになったのです」(全国紙記者)

“解釈変更疑惑”の真相を暴くべく尽力した小西氏だが、今回の失言は株を下げることになりそうだ。

「日本語用字用語集の『記者ハンドブック』(共同通信社)によると、『蛮族』は差別用語と指定されています。小西氏の行政文書を追及する姿勢を支持する声もありましたが、今回の発言によって風向きは変わるでしょう。

小西氏はTwitterで発言を撤回したと説明していますが、『サル』『蛮族』『野蛮』と述べたのは事実。憲法審査会の毎週開催に異論を唱えるにしても、政治家によるこうした物言いは政治不信を招きかねません。まして特定のメディア名を挙げて取材拒否としてしまうのは、政治家として公平性に欠けるのではないでしょうか」(前出・全国紙記者)

共同通信によると、30日夕方、小西議員は国会内で会見を開き、一連の発言について「不快な思いをした方にはお詫びしたい」と謝罪したという。