あんさんぶるスターズ!THE STAGE』-Party Live- が2023年3月25日(土)、26日(日)に神奈川ぴあアリーナMMで行われた。本公演は、2.5次元舞台『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』(通称『あんステ』)に出演する総勢27名が集結し、楽曲中心のライブパフォーマンスを披露するというもの。4年ぶりとなったライブの模様をレポートする。

見たかった景色、久しぶりの声出し声援OKのイベント

最初に登場したのは『Trickstar』。『あんスタ!』メインストーリー第二部『キセキ』シリーズを終え、一区切りのタイミングでもある今回のライブ公演。氷鷹北斗(山本一慶)、明星スバル(竹中凌平)、遊木 真(松村泰一郎)、衣更真緒(谷水 力)は全員が同じ方向を向くときの爆発力はどのユニットよりも強い4人。お芝居をするときの劇場とは異なり、今回はライブのために左右に長いステージと段差、そして花道の先にもセンターステージが存在する。広い舞台を走って行き来し、いつもの笑顔で声援に応えた。

Trickstar

Trickstar

一人ひとりが「お姫様(=ファン)」をエスコートする騎士であり、実力者の集まりでもある『Knights』は、その美しさに見惚れてしまうほど。『Knights』としての出演は前回のライブ公演(『あんステフェスティバル』)以来約4年ぶりの出演でもあり、心待ちにしていたファンは多いことだろう。今回は月永レオ(橋本祥平)、鳴上 嵐(北村 諒)、朔間凛月(荒牧慶彦)、朱桜 司(北川尚弥)が出演した。

仁兎なずな(大崎捺希)、紫之 創(熊谷魁人)、真白友也(宮崎 湧)、天満光(奥井那我人)の4名で構成されるぴょんぴょん跳ねる小さく可愛いユニット『Ra*bits』。うさぎたちが大舞台を駆けまわるたびに、尻尾のように揺れるリボンが愛らしい。カワイイが全力であふれ出すあの名曲、「メルティ♡キッチン」も披露した。

Ra*bits

Ra*bits

守沢千秋(佐伯 亮)、深海奏汰(井澤巧麻)、南雲鉄虎(中西智也)、高峯 翠(松井勇歩)、仙石 忍(深澤大河)の5人のヒーローユニット『流星隊』。アクロバットな動きもあり、いつもよりもダンスも大きい動きが多かったが、振りが揃っていて縦横無尽に走り回っているのが印象的だった。

『MaM』は三毛縞 斑(横井翔二郎)のソロユニットのため、中心に立つのは彼ひとり。会場の視線を独り占めする彼の熱量はすさまじいものだ。『紅月』の鬼龍紅郎(武子直輝)、神崎颯馬(神永圭佑)とともに「RevolTrad~維新伝心~」を披露し、ユニットの垣根を超えてパフォーマンスをした。

MaM

MaM

紅月

紅月

夢ノ咲のアイドルたちとは違う鋭く重い輝きを放つ、『Eden』。重低音の曲も心地良い。乱 凪砂(松田 岳)がリーダーを務める『Eden』はダンスのレベルが本当に高く、圧倒的だ。これぞ、トップアイドル。これぞ、至高。七種 茨(橋本真一)、漣 ジュン(岸本勇太)の会話のやりとりにも黄色い声が飛んでいた。

ついに揃った『五奇人』——朔間 零(小南光司)、日々樹 渉(安井一真)、深海奏汰、斎宮 宗(山崎大輝)、逆先夏目(木津つばさ)。『五奇人』のパフォーマンスは待ちに待ったと言うべきだろう。最年少の夏目を他の4名がかわいがっていて和やかな空気だが、原作ストーリーを思い出してしまって心臓がきゅっと締め付けられる思いも。各ソロ曲と「Eccentric Party Night!!」を披露した。

五奇人

五奇人

神セトリ! あっという間の公演時間

前半はユニットごとにMCがあり、自己紹介などの芝居が挟まれる。ユニットの色やキャラクターを知ることができる構成となっている。しかし休憩後の後半は、休む間もない怒涛の名曲の連続だ。

DIAMOND SUMMER」、「BREAKTHROUGH!」(ともに『Trickstar』)、そして「Dance in the Apocalypse」(『Eden』)のつなぎは鳥肌もので、一気に後半のギアを上げた。以降アップテンポの曲が続き、あっという間に終盤へ。

今回は感染症対策が緩和されたこともあり、観客は久々に声出しをしての応援がOKとなったイベントだった。掛け声が楽しい曲、タオルを手に盛り上がる曲などのみならず、アイドルの名前を呼んだり、思わず漏れる悲鳴、感極まって泣く声……客席から発せられる声はどれも幸せそうだ。

Trickstar』の円陣、『Knights』のコール&レスポンスなど、過去公演を思い起こすような場面もあった。

『あんステ』恒例、目が足りない現象

今回の公演は27名のアイドルが出演しており、全員が舞台上に揃うところは圧巻。「ONLY YOUR STARS!」と舞台オリジナル曲を含む3曲を全員で歌唱した。

メインで話が進行している間にも、舞台上のアイドルたちはそれぞれ会話をしていたりハイタッチをしたり、ぎゅっと抱きしめたり、頭を撫でたり、カメラにポーズを決めていたり……と同時発生しているため見どころの全てを追うことができない。部活動(例/演劇部:日々樹 渉・氷鷹北斗・真白友也 など)や共通性を持つ人(例/幼馴染:衣更真緒・朔間凛月 など)の組み合わせは多く、アイドルたちはわちゃわちゃと楽しんでいた様子。「目が足りない」とはまさにこのこと。こんな場面はいつも全員を追う目が欲しいと切に思う。

「今も俺たちの姿を見てくれている一人ひとりが、俺たちにとって5人目のメンバーであり、俺たちをここまで成長させてくれたプロデューサーだったんだ。」

終盤での北斗の台詞にははっとさせられた。

キラキラと自ら光を放つ恒星のようなアイドルたち。彼らが放つ音楽や関係性に惹かれ、「推し」ができ応援していると、いつかこうして大きなパワーにして返してくれる。お互いが光を反射し合って、アイドルもファンもみんなで一緒に輝いているように見えた。そういう良い関係が幾重にも重なって、あの場にしかない、『あんステ』にしかない“あんさんぶる”を奏でていたような気がした公演だった。

セットリスト

1. 1st SING-ALONG☆/Trickstar
2. Rebellion Star/Trickstar
3.Knights Escort/Knights    ※舞台オリジナル曲
4. Voice of Sword/Knights
5. Beginner’s Step!/Ra*bits   ※舞台オリジナル曲
6. Love Ra*bits Party!!/Ra*bits
7. SUPER NOVA REVOLU5TAR/流星隊
8. 天下無敵☆メテオレンジャー!/流星隊
9. Blooming World/MaM
10.RevolTrad~維新伝心~/MaM with 紅月
11.薄紅色の約束/紅月
12. THE GENESISEden
13.『五奇人』ソロ曲メドレー/朔間 零、日々樹 渉、深海奏汰、斎宮 宗、逆先夏目
14.Eccentric Party Night!!/五奇人
15. ONLY YOUR STARS!/ALL
16. Awakening Myth/Eden
17. Checkmate Knights/Knights
18. 春の雪/紅月     ※舞台オリジナル曲
19. 夢ノ咲流星隊歌/流星隊
20. 君印 Be Ambitious!!/MaM
21. Joyful×Box*/Ra*bits
22. DIAMOND SUMMER/Trickstar
23. BREAKTHROUGH! /Trickstar
24. Dance in the ApocalypseEden
25. 愉快痛快 That’s alright!/MaM
26. メルティ♡キッチン/Ra*bits
27. 百花繚乱、紅月夜/紅月
28. Fight for Judge/Knights
29. アンリテッド☆パワー!!!!!/流星隊
30. Welcome to the Trickstar Night☆/Trickstar
31.STAR’S PARTY!/ALL    ※舞台オリジナル曲
32.Singin’☆Shine!/ALL    ※舞台オリジナル曲


取材・文=松本裕美

『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』-Party Live- 舞台写真