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 群れで活動するフラミンゴは、社会性が高い生き物だ。フラミンゴの大群が水辺で過ごす様子を観察したら、彼らにも仲の良い友人とそうでない友人がいることがわかるかもしれない。

 新しい研究によると、人間と同じように、フラミンゴもまた、志(こころざし)が同じで、似た性格のもの同士で派閥をつくることが多いのだそうだ。まるで人間と同じだ。

 『Scientific Reports』(2023年3月1日付)に掲載された研究によると、そうした性格は群れの中での役割にも関係しているという。

【画像】 フラミンゴが仲良しグループで派閥を形成する理由を調査

 大きな群れで暮らすフラミンゴだが、その中には派閥がある。彼らの様子をじっと観察してみれば、いつも一緒にいる仲良しグループがあることに気がつくかもしれない。

 だが、彼らはどうやって友達を選んでいるのだろう?

 人間なら似たもの同士や同じような考えを持つ人は気が合うので、仲良くなることが多いだろう。フラミンゴもそうなのか?

 そう疑問に思ったエクセター大学のポール・ローズ博士らは、「ベニイロフラミンゴ」と「チリーフラミンゴ」の群れを観察して確かめてみることにした。

 もちろんフラミンゴの性格を心理テストで診断することはできないので、性格の基準になったのは「攻撃性」や「探索意欲」などだ。

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フラミンゴは似た者同士で派閥を作ることが判明

 そして分析の結果、ローズ博士らの予想はピタリ的中していた。やはりフラミンゴも似たもの同士は仲良くなり、派閥を作っていたのだ。

 たとえば、勇敢で大胆な行動をとるフラミンゴは、同じように勇敢なフラミンゴとつるむ。また控えめで従順なフラミンゴなら、同じく従順なフラミンゴと一緒に過ごす傾向がある。

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派閥によって社会で担う役割が違う

 性格とは、どれが一番優れているといったものではなく、状況によってそれぞれに長所と短所があるだろう。

 それを反映するかのように、フラミンゴも性格によって群れで果たす役割に違いがあるようだ。

 研究チームのフィオヌアラ・マッカリー氏は、「人間と同じように、フラミンゴも性格によって社会で担う役割が違うようです」と、プレスリリースで説明する。

 たとえば、ライバルを支配しようとする攻撃的なフラミンゴなら、よくケンカをする。

 一方、従順なタイプは、ただグループ内の立場が弱いというだけでは説明できない、複雑な役割を担っているようだ。

 求めるものを手にするために、そうしたタイプがより複雑なアプローチをとるらしいことが観察されている。

 「たとえば、フラミンゴの群れでいざこざが起きれば、性格の違う派閥同士が互いを支え合うなど、社会的な支援を与えています」とマッカリー氏は言う。

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ただしフラミンゴの種類によって違いがある

 ところが、これも絶対の話ではなさそうだ。

 というのも、ベニイロフラミンゴの群れでは、ある性格の個体が群れの中で特定の役割を担うことが観察されたが、チリーフラミンゴの群れではそうではなかったからだ。

 フラミンゴの種によってこのような違いがある理由は今のところ謎だ。

 ローズ博士は、「この発見については今後も調査が必要です。それによって、社会的行動の進化をもっと深く理解できるようになるだけでなく、動物園の動物の福祉を向上させるヒントにもなるでしょう」と、プレスリリースで述べる。

 いずれにせよ、フラミンゴの社会生活は私たちのイメージよりもずっと複雑なものであり、それは人間社会に近いものがあるのかもしれない。

References:Flamingos form cliques with like-minded pals - News / Flamingos form cliques with like-minded pals - ScienceDaily / written by hiroching / edited by / parumo

 
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フラミンゴは同じ考えを持つ友人と派閥を形成することが判明