Entertainment Software Association(ESA)とReedPopは日本時間の3月31日(金)、「E3 2023」の開催を中止すると発表した。海外メディア「IGN」なども報じている。

 「E3」は「Electronic Entertainment Expo」の略称で、1995年から続いてきたゲーム業界の大型イベントだ。ハードメーカーや多くのソフトメーカーが集まり、新型ハードウェアや新作タイトルを大々的に発表する場として、長きにわたって広く注目を集めてきた。

 近年では新型コロナウイルス感染拡大によって2020年度は開催中止、2021年度はオンラインのみでの開催、2022年度はふたたび完全な開催中止と、特に対面式のイベントは立て続けに見送られてきた。2023年度は数年ぶりに伝統的な開催地、ロサンゼルス・コンベンション・センターにリアル会場を設ける予定であったが、このたび正式に開催中止が発表された形である。

 IGNの報道によれば、スタッフ向けに送信された電子メールでは「E3 2023はゲーム業界の規模や力、影響を示す形で実行するのに必要である持続的な関心を単に獲得できなかった」とされているとのこと。

 また、IGNをはじめとする海外メディアを通じて、ReedPopのゲーム担当グローバルVP・Kyle Marsden-Kish氏は「これは難しい決断だったが、業界とE3にとって正しいことをしなければならなかった」といった旨のコメントを公開している。関心のある企業がプレイ可能なデモを準備できていなかったこと、およびリソース上の問題がE3に参加するうえでの障害となったと認識しているという。

 なお、海外向けの公式声明には「ReedPopとESAが“将来のE3イベント”で引き続き協力する」と、将来的なE3の開催を示唆する文章も添えられているそうだ。

 「E3 2023」については、以前から任天堂プレイステーションXboxといった主要なハードウェアメーカーの不参加が報じられていた。さらに近日にはセガやテンセント、そして一時は参加意思を表明していたUbisoftも出展を見送る方針を明らかにしていた。

 このたび「E3 2023」の開催は中止となってしまったが、6月にはジェフキーリー氏の主催する「Summer Game Fest」をはじめ、「Ubisoft Forward」やベセスダ・ソフトワークスの「Starfield Direct」などゲーム関連の配信イベントが複数予告されている。引き続き、これらのイベントで発表される新情報にも注目していきたいところだ。

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