マーベラスは、2月27日(月)にサービスを開始したiOS、Android向けシミュレーションRPGサクライグノラムス』のサービスを終了すると発表した。

 執筆時点でサービス終了や返金対応などのスケジュールは未定となっており、配信元であるマーベラスの判断で有償ゲーム内通貨へ支払った金額は消費の如何にかかわらず全額返金されるという。

 『サクライグノラムス』はRPG『ファントムオブキル』や『誰ガ為のアルケミスト』で知られる今泉潤氏と『サクラ大戦』の広井王子氏らが送るシミュレーションRPGだ。2016年に株式会社gumiから登場したRPG『シノビナイトメア』から世界設定とキャラクターを引き継ぎ、独自の育成システムと本格的なバトルが楽しめる作品である。

 本作は開発陣の豪華さや見た目のクオリティからリリース以前に話題となっていたが、配信後はダウンロード数・売上順位がともにふるわない状態となっていた。

 実際にユーザーからはスキップや快適なレベルのスピード変更が利用できないバトルパートをはじめ、1回のキャラクター育成におけるゲームの”テンポ感”とユーザーインターフェース(UI)の問題を主に指摘されており、頻繁に修正アップデートを配信していた。しかし、本作が経営状態に与えた悪影響は許容できる範囲になく、今回わずか一ヶ月と少しの短い期間におけるサービス終了が発表された。

 サービス終了の背景には、マーベラス3月24日(金)に投資家・株主へ向けて発表した業績予想の修正が挙げられる。発表のなかでは『サクライグノラムス』の売上高が予想を大幅に下回ったことで「初期開発へ使用した費用の回収が困難」との見解を伝えており、約13億1000万円の営業損失を計上していた。

1か月前にリリースされたばかりのRPG『サクライグノラムス』が突如サービス終了を告知_001
(画像は『サクライグノラムス』irより)
1か月前にリリースされたばかりのRPG『サクライグノラムス』が突如サービス終了を告知_002
(画像は『サクライグノラムス』サービス終了告知ツイートより)

 上記の背景をふまえて、赤字継続を早期に止めるため今回のサービス終了が発表されたようだ。

 作品の公式Twitterアカウント上で公開されたプロデューサーレターでは「サービスを継続させられるように、あらゆる方法を試しましたが折り合わせることができませんでした。このような結果になってしまってしまったのは、ひとえにプロデューサーの力不足でございます。」と今泉氏がコメントを残している。

 なお、ゲーム内で有償のゲーム内通貨を購入した方には、後日マーベラス社から消費の如何に限らず全額の返金対応を実施するとも伝えた。返金方法については記事の執筆時点でまだ告知されておらず後日追って発表されるという。

 『サクライグノラムス』のサービス終了に関する詳細な日程はまだ公開されていないため、本作に少しでも興味があれば、サービスが運営されている今のうちに遊んでおくとよいだろう。

『サクライグノラムス』サービス終了告知ツイート