ベティスに所属している元スペイン代表MFホアキン・サンチェスが、今シーズンのラ・リーガチャンピオンズリーグ(CL)出場権争いや来季以降の自身の去就について語った。スペインメディア『マルカ』が30日に同選手のコメントを伝えている。

 今シーズン、ベティスはラ・リーガ第26節を終えた段階で13勝6分7敗という成績で現在5位につけている。CL出場圏内の4位レアル・ソシエダとは勝ち点差「3」で、その上の3位アトレティコ・マドリードとは勝ち点差「6」。2005-06シーズン以来、18シーズンぶりのCL出場権獲得を目指し、シーズン終盤戦を戦っていく。

 キャプテンとしてチームを支えるホアキンは「アトレティコ・マドリードは今となっては常に上位の存在だ。もし直接対決で勝つことができれば、目標に大きく近づくことができるだろう」とコメント。4月2日に控えたアトレティコ・マドリードとの対戦に向けて意気込んだ。一方、ベティスはアトレティコ・マドリードの本拠地で2011-12シーズンを最後に白星を飾れていない。「そのことは今朝も話したよ」と明かしたホアキンは「だが、今の僕らはどのスタジアムであろうと勝てることを知っている。確かにアトレティコは守備面で機能しているチームで、メトロポリターノでの一戦となると難しい。しかし、僕らは対等にプレーすることができる。どんなビッグチームにも勝てるという自信を持っているんだ」と語った。

 一方で、CL出場権にフォーカスすると「レアル・ソシエダビジャレアルは我々と同じ目標を持ち、似たような立ち位置にいる。きっと、それが僕らの戦いになっていくだろう。現時点でラ・レアルとの勝ち点は『3』差だ。まずはそこを見据えて戦いたい」とも話している。

 ホアキン個人の話になると、41歳となった現在も現役としてプレー。途中出場がメインとなっているものの、ここまでラ・リーガでは12試合のピッチに立っている。これまでにベティスだけでなく、バレンシアやマラガといった国内クラブでもプレーした経験を持つホアキンは、現時点でキャリア通算でのラ・リーガ1部出場試合数が「612」に到達。フィールドプレーヤーとしては歴代最多で、GKを含めるとかつてアスレティック・ビルバオやバルセロナなどで活躍した元スペイン代表GKアンドニ・スビサレッタ氏が保持する「622」に次ぐ歴代2位の数字だ。今季の残り試合数は「12」となっており、決して記録更新は不可能な話ではない。

 だが、ホアキンは「今、このことについて監督に聞くのは複雑だね。何度も話したから、彼の頭の中にあることは分かっているんだけど」と率直な心境を吐露。「マヌエル(・ペジェグリーニ)とは最多出場記録のことも話すし、他の多くのことも話している。ただ、シーズンが終わった時にベティスができる限り上の順位にいることが最優先だ。最多出場記録はその次で、実現できたら良いとは思っているよ」と正直に話した。

 また、ホアキンとベティスの契約は今季限りで満了を迎える。ベティスに戻ってきた2015年夏を振り返って「7年後にまだプレーしているなんて、想像もできなかったし、考えもしなかった」と話したホアキンは「ここ数年、精神的に疲れていたことは事実なんだ。サッカー選手としてプレーするのは今年が最後かもしれないし、そうじゃないかもしれない。寂しいからその先のことは考えたくないんだ」と本音を明かした。ベティスが仮にCL出場権を獲得し、ホアキンが現役続行を決めた場合、自身にとってはマラガに在籍していた2012-13シーズン以来の“大舞台”の出場となる。ホアキン自身もCL出場のことは頭をよぎっており、様々な可能性を想定した上で決断を下すと主張した。

「もし僕が退団を決めて、ベティスがCL出場権を獲得したら、それは僕を殺すようなことだよ。何かを決断する時にはこのようなことが起こり得ると想定しておかないとね。でも、僕がいるかいないかに関係なく、来季ベティスにはCLに出場していて欲しい。心からの願いだ」

41歳となった今もベティスで現役を続けるホアキン [写真]= Icon Sport via Getty Images