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「信用できないなら、もう質問なさらないでください」

放送法をめぐる野党の追及に、答弁拒否とも受け取られかねない発言をするなどして、批判を浴びている高市早苗経済安全保障担当相(62)。一時は“初の女性首相”への期待も高まっていただけに、女性議員の活躍にとっても逆風となりかねない。

では、女性議員の増加が叫ばれる政界で、どのような政治家が求められているのか、また求められていないのか。主だった女性議員をリストアップし、アンケート調査を行った(表参照)。

まず「嫌い」5位となったのは、杉田水脈議員(55)。「好き」ランキングではベスト15圏外というだけあって、「嫌い」の純度が高いと指摘するのは、コラムニストの桧山珠美さんだ。

「『LGBTは生産性がない』という発言で、月刊誌『新潮45』をつぶしましたからね。女性議員なのに、中身は、なぜか古い考えのおっさん議員のよう」

政治ジャーナリストの角谷浩一さんも、手厳しい意見だ。

「重大な問題だと思うのが、政治家は弱者に寄り添うべきなのに、杉田氏がニュースになるときは、決まって差別的な発言をしたとき。こうした議員を総務大臣政務官に任命(その後辞任)した岸田首相の考えも理解しがたいです」

「嫌い」4位ながら、「好き」では1位になったのは、蓮舫議員(55)。

「『2位じゃダメですか』を代表に、なんでもキャンキャンとかみつくキャラが『嫌い』ポイントと受け止められたのでは」(桧山さん)

裏を返せば、政治家はそこが武器にもなりうる。

「だいぶ改善されたとはいえ、まだ政治の世界では女性は軽く見られ、たとえ正論を言っても『生意気』と捉えられてしまいます。そんななかでも、物おじせずに男性議員に斬り込んでいく姿が評価されたのでしょう」(角谷さん)

「嫌い」3位は、渦中にいる高市大臣。とはいうものの「好き」4位にもしっかりランクイン。

「放送法をめぐる発言が“信用できない”という人にとってはマイナスに働きましたが、党三役や閣僚を務めた政治家としての仕事ぶりがプラスに働いたのでしょう」(角谷さん)

前回の自民党総裁選では、岸田首相とも戦った。

「負けたとはいえ、普通なら推薦してくれた議員とは慰労会などをやるものですが、高市さんからはそんな労いがなかったという不満も聞こえてきます」(政治記者)

「嫌い」2位は、元おニャン子クラブの生稲晃子議員(54)。

「『勉強量が圧倒的に足りない』を理由に選挙特番への出演を拒否したとされ、池上彰さんはあぜんとしていました」(桧山さん)

さらに自民党の萩生田光一政調会長に旧統一教会の集会に連れていかれたことも発覚。

「最初にダーティなイメージがついてしまい、ますます発言しにくい状況に。ただ、批判や失言を恐れて黙っていては、政治家としてダメになるばかりです。批判されても、自分の考えをしっかり発信するべき。そのあたりが高市氏との大きな違い」(角谷さん)

そして「嫌い」1位に輝いてしまったのが、元SPEEDの今井絵理子議員(39)。

「印象に残っていることといえば、新幹線での不倫相手との手つなぎ写真。また、沖縄出身なのに、沖縄問題に関して語らず『勉強します』と答えたという報道に、がくぜんとしました」(桧山さん)

「沖縄選出ではなく、全国比例選出で、党沖縄県連に所属していないという複雑な事情も。一方、聴覚障害のある息子さんのこともあり、障害者問題に取り組んでいます。そろそろ積極的な活動を見せてほしいところ」(角谷さん)

そんなタレント候補の担ぎ方に、桧山さんも疑問を持っている。

「今井氏の息子が聴覚障害、生稲氏ががんサバイバーなど、自民党は人気取りのために“苦労した有名人”を探して担ぎ上げようとしているのでは。今後はモーニング娘。やAKBなどでも仕分けされ、“たかみな”あたりに打診するんじゃないでしょうか」(桧山さん)

今井氏、生稲氏のようなタレント議員は、政治活動よりも、客寄せパンダ的に扱われる実態もある。

「政治家のパーティで司会をさせられるため“司会議員”と揶揄されることも」(角谷さん)

そんな否定的な意見があるタレント議員でも、三原じゅん子議員(58)は「好き」3位と大健闘。

「自身の経験から子宮頸がんの予防の啓発や不妊治療対策に力を入れるなど、政治家としての活動も伝わってきます」(角谷さん)

「選挙期間中は、ほかの議員の応援演説にも参加。単なる客寄せパンダではなく、実力派パンダといったところでしょうか。元夫はコアラですが」(桧山さん)

永田町に新しい風を送るためにも、女性議員の活躍は必須だ。