2013年4月1日に第88作目の連続テレビ小説あまちゃん』(NHK総合ほか)が放送をスタートして、今日で10年が経つ。同作は宮藤官九郎が脚本を担当したオリジナルストーリーで、ヒロインの天野アキ役をのん(当時能年玲奈)が演じて大ヒット。年末の「2013ユーキャン新語・流行語大賞」で、劇中でたびたび使用された方言「じぇじぇじぇ」が年間大賞に選ばれるなど社会現象となった。のんをはじめとする若いキャストたちも、この作品をきっかけに大きく飛躍を遂げている。今回はそんな『あまちゃん』に出演していた若きキャストたちの現在をまとめてみた。

【写真】『あまちゃん』放送開始から10周年! 現在も活躍中の若手キャストたち

■ のん

 『あまちゃん』で一躍時の人となったのん。翌年の2014年には主演映画『ホットロード』で第38回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した。2016年7月からは、芸名を現在の「のん」に変更し、“創作あーちすと”としても活動を開始。音楽活動のほか、展覧会を開催するなど活躍の場を広げる。その間にも声優としてアニメ映画この世界の片隅に』で主人公・すず役を務めるなど、演技の活動も継続し、昨年はさかなクンの自叙伝を原作とする映画『さかなのこ』で主人公・ミー坊(さかなクン)を演じて大絶賛を受け、年末には第46回日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞した。

有村架純

 アキの母親・春子を演じていたのは小泉今日子だが、その若き日を演じていたのは有村架純だった。本作で知名度を上げた有村は、2015年に主演した『映画 ビリギャル』では一転して金髪ギャルを演じて話題となり、第39回日本アカデミー賞優秀主演女優賞および新人俳優賞を受賞する。さらに2017年には、連続テレビ小説ひよっこ』で、今度はヒロインの座を射止めた。その後もドラマ『中学聖日記』(TBS系)や映画『花束みたいな恋をした』など数々のヒット作・話題作に出演。同世代きっての人気女優へと成長を遂げた。

橋本愛

 ヒロインのアキと同学年で、一緒にアイドルユニット「潮騒のメモリーズ」を結成した美少女・足立ユイを演じていたのは橋本愛だった。その後も、映画『ここは退屈迎えに来て』(2018)など映画・ドラマに多数の主演を飾っている。『あまちゃん』から7年後の2020年、映画『私をくいとめて』で7年ぶりにのんと共演し、主人公の親友役を演じて話題になった。

あまちゃん』出演で埼玉県から感謝状! カンヌが絶賛『万引き家族』にも出演した女優

松岡茉優

 『あまちゃん』で劇中アイドルグループ「GMT47」のリーダー・入間しおり役を演じていたのは、松岡茉優だった。入間は埼玉県出身の設定で、同県が生産量全国1位を誇るネギをモチーフにしたワンピースを身にまとい、故郷をアピールする役どころ。ドラマ放送中には、埼玉県の魅力発信に貢献したとして、松岡が同県から感謝状を授与されたことも。そんな松岡は、その後も第71回カンヌ国際映画祭で最高賞「パルム・ドール」を受賞した映画『万引き家族』など話題作に多数出演。今月からは、野木亜紀子が脚本を担当する連続ドラマW『フェンス』で主演を務めている。

福士蒼汰

 前年の2012年まで『仮面ライダーフォーゼ』(テレビ朝日系)で主人公を演じていた福士蒼汰は、アキの高校の先輩で初恋相手の種市浩一役として出演していた。その後もドラマ『恋仲』(フジテレビ系)、『4分間のマリーゴールド』(TBS系)、映画『ストロボエッジ』、『BLEACH 死神代行篇』など数々の作品で主演。今年にはよしながふみ原作のドラマ『大奥』(NHK総合)の「3代・徳川家光×万里小路有功編」で有功役を演じ、家光(堀田真由)との切ない恋愛模様に多くの視聴者が涙した。4月には主演ドラマ『弁護士ソドム』(テレビ東京系)がスタートする。

■ 豊嶋花

 春子の若き日を演じていたのは有村だが、春子の幼少期を演じていたのは、当時子役だった豊嶋花だ。『あまちゃん』の次に放送された朝ドラごちそうさん』でも杏演じるヒロイン・卯野め以子の幼少期を演じた豊嶋は、その後も数々のドラマ・映画に出演。2021年のドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』(カンテレフジテレビ系)では、松たか子演じるシングルマザー・とわ子の娘・唄を好演。今年配信スタートした映画『ちひろさん』(Netflix)では、『あまちゃん』で共に春子を演じた有村との共演が実現した。

(左から)のん、有村架純  クランクイン!