3月4週目、スカイピースやヘラヘラ三銃士が期間限定で毎日投稿を開始した。いったい人気YouTuberたちはなぜ期間限定で毎日動画を投稿する「ウィーク」を開催するのか。今回は、その理由について考えてみたい。

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 スカイピース3月23日、「【告知】僕たち毎日投稿します。」と題した動画で、24日から動画を毎日投稿する「春休みスペシャル」を行うことを発表した。今回は、むくえなとの動画が両チャンネルで3本ずつ、ヘラヘラ三銃士との動画が両チャンネルで3本ずつ、さらにスカイピースとまあたそ、かすからなる「青春しゅわしゅわクラブ(通称青ラブ)」の動画6本が公開される予定だという。

 この春休みスペシャルは、期間限定で毎日動画を投稿する、いわゆる「ウィーク」に匹敵するもの。スカイピースはこれまでも学生たちが長期休みとなる春や夏、年末に、親交のあるYouTuberたちとコラボした動画を毎日公開するウィークを開催してきた。昨年の2月末には、スカイピースコムドットとコラボする「スカイドットWeek」と青ラブの動画を投稿する「青ラブWeek」を実施。多くの視聴者が毎日新しい動画が投稿されるのを楽しみにしていたのだ。

 しかし今回スカイピースウィークという言葉を使わずに、「スペシャル」と表現している。テオは昨年のウィークに触れ、準備のために2週間の休みを挟み、さらにウィーク終了後も休みを設けたため、投稿期間が空いてしまうことに言及。今回は休まずにできるだけ投稿したいという思いから、ウィークではなく「春休みスペシャル」としたと説明している。春休みスペシャル期間に投稿される動画は、テオいわく「無理せずに楽しく撮影できてる」とのこと。自分たちが楽しめるかを大切にしたようで、その思いは企画にも反映されているようだ。

 そして同じくウィーク開催を発表し、話題になったのが人気YouTuberグループ・ヘラヘラ三銃士だ。ヘラヘラ三銃士3月20日に投稿した動画で、案件動画を1週間連続で投稿することを発表。この案件ウィークでは、ヘラヘラ三銃士のメンバーが協力してくれた企業の商品を紹介していくと説明している。ヘラヘラ三銃士がこの企画を行うのは、大型企画の予算集めのためと明かされている。

 投稿されている案件ウィークの動画を見ると、アパレルから掃除グッズなど案件は幅広く、普段の面白さはそのまま。案件動画は視聴者によって考えが分かれるところだが、そのようなコメントもなく、高評価コメントが目立っている。

 スカイピースやヘラヘラ三銃士は、ともに若年層のファンを多く抱えている。ある一定期間だけ毎日動画を投稿するウィークを春休みや夏休み、年末といった学生たちの長期休みにぶつけてくることは、若年層のファンをもつYouTuberたちにとっては大事な戦略のひとつなのだ。一方の視聴者はというと、スカイピースのコメント欄には「毎日投稿してくれるのが嬉しい」といったコメントが多く、期間限定の毎日投稿がとくにコアなファンから需要があることが読み取れる。

 今回はスカイピースがスペシャルという表現を用いたものの、投稿予定数をみても実質はウィークとほとんど変わらない。しかし「スペシャル」と名付け、“気楽に”毎日投稿をすることは、彼らにとって新しいチャレンジ。ヘラヘラ三銃士の案件ウィークも、これまでほかのYouTuberたちがやったことがないであろう、案件動画の毎日投稿というまったく新しいチャレンジだ。

 一定期間のみ毎日動画を投稿するウィークは、そこに至るまでの企画や撮影、編集を考えると、かなり気力と体力を要するだろう。それでもYouTuberたちが過酷なウィーク定期的に行うのには、ファンを喜ばせるという理由以外にも、次のステップや新しいコンテンツの準備、挑戦といった理由がありそうだ。

(せきぐちゆみ)

動画サムネイルより