【家電コンサルのお得な話・119】 政府は3月22日、「物価・賃金・生活総合対策本部」を開き、「物価高克服に向けた追加策等」を決定した。この追加策には、経産省をはじめ厚労省など複数省庁から策が示され、その中で内閣府が打ち出した「電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金の増額・強化」により、1世帯当たり3万円の新たな低所得世帯支援が行われることとなった。

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●低所得世帯以外に「プレミアム商品券」や「マイナポイント」などの可能性も



 「電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金の増額・強化」に充てられた予算は1兆2000億円。そのうち(1)物価高騰の負担感が大きい低所得世帯への負担の軽減を図る「低所得世帯支援枠」の事業に5000億円、(2)エネルギー・食料品価格等の物価高騰影響を受けた生活者や事業者に対し、支援を行う「推奨事業メニュー」の事業に7000億円が割り当てられている(図参照)。

 (1)の「低所得世帯支援枠」の5000億円は、住民税非課税世帯1世帯当たり3万円を基礎として算定されている。

 そのため、事業の実施主体である市町村が、

・対象世帯を広げ、1世帯当たりの給付額を低くする

市区町村独自の予算を付け、増額する

 ――など、独自の判断をしなければ「住民税非課税世帯1世帯当たり3万円」が給付されることになる。

 (2)の「推奨事業メニュー」の実施主体は都道府県市町村である。予算の7000億円はその人口、物価上昇率、財政力等を基礎として算定を行い、各地方自治体に振り分けられる。

 また、推奨事業メニューの具体策として「プレミアム商品券」や「地域で活用できるマイナポイント等」が挙げられているが、地方公共団体は、国が示した推奨事業メニューよりもさらに効果があると考えられるものについては、実施計画に記載して申請することが可能となっている。

 事業の開始については、低所得世帯支援枠の「住民税非課税世帯1世帯当たり3万円」の給付は、「出産・子育て応援交付金」や「就学前児童への臨時給付金」等と同様、プッシュ型で市町村から対象者に通知が送られてくる可能性が高いと考えられる。

 ただし、市町村ごとの事業のため実施時期や給付金額、対象者などは、対象の市町村に確認する必要がある。

 すでに政府が決定した支援策であり、各市町村ともに事業開始は間近だと考えられるが、推奨事業とともに市町村からの情報を意識しておくといいだろう。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)

■Profile

堀田泰希

1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。
電力・ガス・食品等価格高騰重点支援地方交付金の増額・強化(出典・内閣府)