プレミアリーグ第29節、チェルシーvsアストン・ビラが1日にスタンフォードブリッジで行われ、アウェイのアストン・ビラが0-2で勝利した。

前節のエバートン戦を2-2のドローで終えて完全復調が遠い10位のチェルシー。週明けにリバプールとのビッグマッチを控える中、同勝ち点で11位のアストン・ビラ相手にバウンスバックの白星奪取を狙った。

ポッター監督はインターナショナルマッチウィーク明け初戦に向けて前節から先発3人を変更。負傷のフォファナ、プリシッチとバディアシルに代えてククレジャ、ロフタス=チーク、ムドリクを起用。3バックはリース・ジェームズ、クリバリ、ククレジャという並びとなり、ロフタス=チークとチルウェルがウイングバックに入った。

ホームで勢いを持って入ったチェルシーは果敢な守備から早速決定機を作り出す。開始5分、相手のビルドアップに圧力をかけたムドリクがボックス内で奪い切ってシュートに持ち込むが、これはGKマルティネスの好守に遭う。

一方、いきなりのピンチを凌いだアストン・ビラも直後に決定機。7分、右サイドのマッギンからの斜めのスルーパスに反応したワトキンスがボックス右でシュートに持ち込むが、やや焦って放ったシュートは枠の左に外れる。

以降はチェルシーが70%を超えるボール支配率で相手を押し込んでいくが、流れの中ではなかなか決定機まで持ち込めず、セットプレーでチャンスを窺う状況が続く。これに対して序盤から効率の良い攻めを見せていたアウェイチームが、先にゴールをこじ開ける。

18分、ドウグラス・ルイスからのフィードに反応したワトキンスがうまく背後を取った中で手前のククレジャのヘディングがゴール方向に流れる。これを冷静に収めたワトキンスが飛び出したGKケパをあざ笑うかのような絶妙なループシュートを無人のゴールへ流し込み、アウェイ5戦連発となる今季リーグ戦10点目とした。

悪癖である一瞬の緩みからビハインドを負ったポッターのチームはすぐさま反撃を開始。20分過ぎにはフェリックス、ハヴァーツのボックス内でのシュート、セットプレーからエンソ・フェルナンデスのヘディングシュートで続けてゴールへ迫るが、これはGKマルティネスの好守に遭う。

前半半ばから終盤にかけては切り替えの速さ、球際のデュエルが強調される見応え十分の攻防が繰り広げられる。アストン・ビラがラムジーを起点としたロングカウンターで2点目に迫る一方、決定機の数ではリスクを冒して攻めるチェルシーが上回る。

ボックス付近で個のクオリティを見せるフェリックス、再三の飛び出しを見せるチルウェルらが幾度もゴールへ迫る。だが、ムドリクの気の抜けた一対一でのシュートやチルウェルの左ポスト直撃のシュートなど最後のところがうまくいかない。前半アディショナルタイムにはエンソ・フェルナンデスのクロスをゴール前のチルウェルが頭で合わせてゴールネットを揺らしたが、ここは相手DFに対するプッシングを取られてゴールは認められず。

ボール支配率、シュート数、ゴール期待値で相手を凌駕したものの、1点ビハインドで試合を折り返しチェルシー。後半も引き続き相手陣内でハーフコートゲームを展開するが、なかなか決め切れない。

すると、56分にはしたたかなアウェイチームがセットプレーからゴールをこじ開ける。左CKの二次攻撃からボックス手前左のラムジーが横パスを送ると、ペナルティアーク付近で反応したマッギンが左足を一閃。ゴール前の密集を抜けた鋭いシュートがゴール右隅に突き刺さった。

相手の後半最初のチャンスでゴールを決められたチェルシーは、直後に2枚替えを敢行。ロフタス=チークとムドリクを下げてマドゥエケと昨年8月末以来の復帰となったカンテを投入。右のウイングバックにマドゥエケを配する攻撃的な布陣でゴールを目指す。

この交代直後には右サイドカンテとマドゥエケを起点に幾度も良い形を作り出したが、最後の場面で仕留め切れない。すると、時間の経過と共にインターナショナルマッチウィーク明けの疲労と前半からフルパワーで戦ってきた消耗によってトーンダウンしてしまう。

その後、80分にはコバチッチククレジャを諦めてギャラガー、プリシッチの投入で最後の勝負に出たホームチーム。だが、効果的な交代策で守備の強度を維持するアストン・ビラの堅守を前に外回りが続いた攻撃はことごとく撥ね返された。

最終的にシュート27本枠内8本と猛攻を仕掛けたものの、シュート5本枠内2本と効率の良さが光ったアウェイチームに屈したブルーズは、逆転でのトップ4フィニッシュが絶望的となる4試合ぶりの今季10敗目を喫した。

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