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 日本代表が優勝したワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で最多4試合に登板した巨人大勢投手にアクシデントがあった。開幕中日戦で1点リードの9回に起用が見送られ、代わりの救援陣が打たれてチームは逆転負け。原辰徳監督は「マウンドに上げられる状況じゃなかった」とコンディション不良だったと説明した。

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 続く2戦目はベンチ入りメンバーからも外れた。この日、50メートルほどの距離で軽めのキャッチボールを行った大勢について、原監督は「(状態に)昨日とそうそう変わりはなかった。投げられない人をベンチに入れる余裕はありません。明日どういうふうになるか」。登録抹消はせず、状態を見ながら出場判断の時期を探るようだ。

 WBCで大勢は4試合無失点投球で、3大会ぶり世界一の原動力となった。とくに激戦となった準決勝、決勝ではチームで唯一、連投してフル回転。代表でも抑え経験のある栗林良吏広島)が腰痛のため1次ラウンドで離脱し、試合終盤を任せる役割が大勢に集中したという見方もある。

 巨人に戻った大勢は「体が結構張っている」と話していた。国際試合での緊張と重圧。使用球の違い。開催時期。短期間で日米を移動した時差の影響。かつてイチローも苦しめられたように、WBC大会後に反動が出る選手は必ずいる。

 またWBCで右手小指を骨折した西武源田壮亮内野手には出場ストップがかかった。開幕から出場を直訴したが、渡辺久信GMは「まだ骨がくっついていない状態。(復帰までは)4月いっぱいかな」と開幕から1カ月程度、リハビリに専念させる方針を示した。

 侍ジャパン遊撃手の源田はWBC1次ラウンドの韓国戦で、走者として帰塁の際に右手小指を痛めた。準々決勝以降は患部にテーピングを巻いて痛み止めを飲んで強行出場。安定感のある守備、攻撃ではつなぎ役として優勝に貢献した。

 源田に代わるほどの遊撃手がいない西武には大誤算だ。開幕オリックス戦はプロ3年目の山村崇嘉を起用したが、連敗で早々とカード負け越しが決定。源田の離脱に加え、今オフFA移籍で退団した森友哉にも活躍を許す〝Wパンチ〟で踏んだり蹴ったり。故障後もWBC完走を希望した源田の意向を球団として尊重したとはいえ、大きな代償を背負わされた形だ。

 シーズンが始まり、なんらかの違和感を抱えながら出場している侍ジャパン戦士もいるかもしれない。WBC〝後遺症〟がこれ以上出ないことを祈るしかない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

WBC世界一の大きな代償…開幕1カ月離脱の源田壮亮に続き大勢も〝後遺症〟か