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 今の時代、マッチング(出会い系)アプリで恋人や結婚相手を探す人も少なくないが、様々なアプリがあり、どれが最適なのか迷うこともあるだろう。

 だが、国や自治体が支援しているとなれば、安心感も増すかもしれない。

 中国の江西省では、独身住民のデータを使用した婚活アプリを開発した。国と自治体が結婚率を上げるための支援をしてくれるという。

 このキャンペーンは、国で公式に禁止されている新郎が花嫁に持参金を提供するという、伝統的な慣習を取り締まる意図もあるようだ。

【画像】 国営の婚活アプリが江西省で展開中

 中国東部の江西省貴渓市は、人口約64万人の都市だ。

 現在、この地域に住む独身住民は国と地方自治体の支援を受けて婚活ができるという。

 結婚相手を探しているけれど、なかなか見つからない。そんな男女は、国が後援するマッチメイキングアプリ「Palm Guixi」に登録し、お見合いデートにサインインすると、合コンに参加できるという仕組みだ。

 このアプリは、過去10年間で全国的に低下している結婚率を高めるための、州全体の取り組みの一部だそうだ。

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 江西省の他の場所では、地方政府が対面式のイベント、いわゆるお見合いデートを企画して独身の男女の交流を促している。

 高安市では、瑞州福雅公園に集まった約 100 人の独身の若者が、伝統的な衣装を着てゲームをし、「中国文化の奥深さ」を感じながら互いに親しくなることができるというイベントも開催中だ。

花嫁への伝統的な「結納」を取りしまる意図も

 この婚活キャンペーンでは、結婚率を高めると同時に、将来の夫が花嫁となる女性の家族に、多額の金額を支払う「結納」の伝統を取り締まる意図も含んでいるという。

 本来、新郎が結婚前に花嫁となる女性の家に、持参金や贈答品を提供するという伝統的な慣習は、国の民法では公式に禁じられている。

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 農村地域では、こうした伝統はまだ一般的だが、江西省は昨年、中国全土の「花嫁価格」(新郎が新婦と結婚するために支払う金額)の非公式チャートで首位を獲得した。

 江西省当局は、国や自治体が支援するマッチングアプリを介して、より多くの結婚が行われること、古い伝統を排除していくことを望んでいる。

 したがって、同局では結婚に消極的になる傾向がある中国の若者に対し、世間の意識向上と、持参金の代わりに贅沢な結婚式や宴会を組み合わせることを、たびたびキャンペーンで促してきた。

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 しかし、国が後援する婚活サービスに対するネット上の反応はまちまちだ。

 Weibo の多くのユーザーからは、当局のキャンペーンへの取り組みは、60 年ぶりに急激に減少した中国の人口と出生率の急速な低下を後押しするための、政府の圧力に他ならないという声があがっている。

 日本も未婚率の増加や少子化が問題になっており、国や自治体が様々な取り組みを模索中だが、個人の多様化も進んでおり、一筋縄ではいかないようだ。

References:China launches state-sponsored dating app to boost marriage rate/ written by Scarlet / edited by parumo

 
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結婚率を上げるため、国と自治体が支援するマッチングアプリが登場