4月1日(土) シアタートラムにて、舞台『ブレイキング・ザ・コード』が開幕し、舞台写真とキャストコメントが到着した。

本作はイギリス数学者で、第二次世界大戦中にコンピューターを発明しナチスの暗号「エニグマ」を解読した実在の男性、アラン・チューリングの生涯を描いたヒュー・ホワイトモア作の戯曲。今話題の演出家・稲葉賀恵の演出のもと、日本で33年ぶりの上演となった。

アラン・チューリング役には、『ガラスの動物園』『タージマハルの衛兵』で狂気と繊細さを表現し、紀伊國屋演劇賞を受賞した亀田佳明が務め、チューリングと関係を持つロン・ミラー役には水田航生チューリングの同僚パット役に岡本玲チューリングを暗号解読に引き抜いたノックス役に加藤敬二、チューリングの初恋相手クリストファー役には田中亨、上層階級の官僚ジョン・スミス役を中村まことが演じる。さらに、チューリングの母、サラ・チューリングには保坂知寿、強盗事件の捜査に訪れる刑事ミック・ロス役は堀部圭亮と、実力を兼ね備えた俳優陣が集結した。

■稲葉賀恵(演出)コメント
この物語は数学理論を真ん中に置いてはおりますが、極めて私たちの近く、隣にいる人間たちのすれ違いやぶつかり、そして愛憎や悲哀を描いています。
約1カ月強、8人の尊敬する魅力的な俳優陣と、すぐそこに、近所にいるような親近感と愛くるしさを持った登場人物を作り上げるべく、コツコツ丁寧にお稽古してきました。
そして、信頼すべきスタッフプランナー陣と、チューリングの脳内を舞台上に出現すべく、時に子供のようにきゃっきゃ言いながら趣向を凝らして参りました。
何だかとても奇妙で、でもとても愛すべき世界になった気がいたします。
きっと観ていただけたら、チューリングをはじめとする歴史の中にいる登場人物が、年号から抜け出してすぐそこで手を差し出して話しかけてくるような、そんな感覚を覚えて頂けると思います。
トラムという宇宙のような空間で天体のように近づいては離れる人間たちの模様を一緒に浮遊しながら旅してみてください。
劇場でお待ちしております。

■亀田佳明(アラン・チューリング 役)コメント
本日はご来場頂きましたお客様に心より感謝を申し上げます。
稲葉賀恵さんの粘り強く丁寧な演出にスタッフキャストも一丸となり明るく闊達な稽古場でした。
劇中アラン・チューリングは常に舞台上にいながら、他の人物の登場によって時空が飛んでいきます。
堀部圭亮さん演じるロスの絶妙にグレーな人間味。
田中亨さん演じるクリスの清廉さとニコスの無邪気さ。
保坂知寿さん演じるサラの失望の先に見せる深い愛情。
水田航生さん演じるロンの秘められた痛みと滲む葛藤。
中村まことさん演じるスミスの特異な難攻不落。
加藤敬二さん演じるノックスの温かさの中にある哀しみ。
岡本玲さん演じるパットの夾雑物のない眼差しで生きようとする意志。(登場順)
次々に登場してくる共演者の方達と稽古を重ねていくうちに、自分は登場人物達の記憶の中の存在であり、その人物たちの記憶により再生されている存在のような不思議を感じました。
「心とは何か」「身体がなくても心は存在するのか」
チューリングは学術でこの問いを追究し続けました。
私にとっても心の問いは向き合い続けるテーマでもあります。
日々お客様と発見を重ねながら千秋楽を迎えたいと思います。
座組一同、心を込めて創った作品です。
1人でも多くの方に観ていただけたらと願っております。

<公演情報>
舞台『ブレイキング・ザ・コード』

『ブレイキング・ザ・コード』ビジュアル

作:ヒュー・ホワイトモア
翻訳小田島創志
演出:稲葉賀恵
音楽:阿部海太郎

■出演
亀田佳明/水田航生岡本玲/加藤敬二/田中亨/中村まこと/保坂知寿/堀部圭亮

■東京公演
2023年4月1日(土)〜4月23日(日) シアタートラム

チケットはこちら:
https://w.pia.jp/t/breakingthecode/

【アフタートーク】
4月5日(水) 13:00公演
出演者:加藤敬二、中村まこと、堀部圭亮、水田航生(MC)

左より)加藤敬二、中村まこと、堀部圭亮、水田航生(MC)

4月7日(金) 13:00公演
出演者:岡本玲、田中亨、保坂知寿、水田航生(MC)

左より)岡本玲、田中亨、保坂知寿、水田航生(MC)

4月12日(水) 13:00公演
出演者:成河(ゲスト)、亀田佳明、水田航生(MC)

左より)成河(ゲスト)、亀田佳明、水田航生(MC)

4月14日(金) 13:00公演
出演者:小川絵梨子(ゲスト)、稲葉賀恵(演出)、亀田佳明、水田航生(MC)

左より)小川絵梨子(ゲスト)、稲葉賀恵(演出)、亀田佳明、水田航生(MC)

公式サイト:
https://www.breakingthecode2023.com/

『ブレイキング・ザ・コード』より 撮影:杉能信介