現地時間2023年3月31日に米ロサンゼルスで開催された【GLAADメディア賞】で、<Advocate for Change賞>を授与されたクリスティーナ・アギレラが、スピーチで差別のない世の中を願うと述べた。

 この賞は、“仕事を通じ、世界中のLGBTQの人々のために大変革をもたらした人物”に授与される。過去にはマドンナビル・クリントン元米大統領が同賞を受賞している。

 米コロラド州のクラブQで起きた銃撃事件の生存者の一人であるマイケルアンダーソンから賞を授与されたクリスティーナは、「これは私にとって本当に大きな意味を持っています。人生で本当に重要なことはこのようなことですから」と述べた。

 続けて彼女は、LGBTQコミュニティーとの“生涯にわたる”関係について長々と語った。「自分の本質的な部分や行動は、皆さんひとりひとりから大きな影響を受けています。何らかの形で平等と自由のために戦わなければならなかったという共有経験も」と彼女は述べた。

 クリスティーナはさらに、特に全米の共和党議員からの猛攻撃に対して、LGBTQコミュニティーが耐え続けていることに拍手を送った。彼女は、「全ての人間が値する受容、尊敬、そして安全のために戦うのに必要な勇気を示す皆さんの例に常に感銘を受けています」と語り、「暴力、虐待、心的外傷の被害者になったとき、自分の声を見つけて反撃することは非常に難しく、怖いことです。家庭内暴力のある家庭で育った私は、無力な立場にある母の姿を見て、声が届かない全ての人々のために声を上げようと初めて心に火がつきました」と明かした。

 彼女は、「自分の音楽を通じて、クリエイティブに他者を力づける」という自身の使命について語ったあと、クィアの人々に平等を求めて戦い続けるよう呼びかけた。「差別や憎しみ、暴力のない世界に住みたいのなら、私たちは皆、声を上げる必要があります」と彼女は言い、「私の大いなる目的は、自分が持っているプラットフォームを使って人々の人生をより良く変えることです。ですから、GLAADにこのことを感謝すると共に、LGBTQコミュニティーの全ての声を届かせるための皆さんの働きに感謝します。お互いの声を聞くことができなければ、お互いを助けることはできません」とスピーチを締め括った。

 今年の授賞式ではクリスティーナのほかに、LGBTQに対するアライシップ(支援)が評価されたバッド・バニーに<ヴァンガード賞>、そしてブロードウェイのスターであるジェレミー・ポープには、メディアにおけるクィアの人々の認知度を高める活動に対して、<スティーブン・F・コルザック賞>が授与された。

クリスティーナ・アギレラ、【GLAADメディア賞】受賞スピーチで“差別のない世の中”を求める