育休コミュニティ「MIRAIS」(代表 栗林真由美、以下MIRAIS)は、産・育休取得経験者244名に「産・育休中の会社とのコミュニケーション」に関するアンケートを実施、調査結果をまとめましたので、公表します。
育児・介護休業法の改定に伴い、2022年4月より「育児休業を取得しやすい雇用環境の整備」が義務化され、現在、産・育休取得率が増加しています。この状況を背景に企業では、産・育休から復帰した人を含めて、多様な人材を確保し活用することがますます重要となっています。

このような流れを受け、厚生労働省では、従業員の円滑な育休の取得及び職場復帰を支援できるよう「育休復帰支援プラン」策定マニュアルを作成・普及しており、その中で育休中のコミュニケーションの重要性を解説しています。*1
MIRAISでは、「産・育休中の会社とのコミュニケーション」に関するアンケートを実施、その結果から実際に産・育休者がスムーズな職場復帰へ向けて会社とコミュニケーションを必要としていることが分かりました。

  • 産・育休中の会社とのコミュニケーションに関するアンケートの調査結果概要
・約80%の人が産・育休中に会社と連絡を取ることで、復職への不安が軽減されたと回答。
・メールに次いで、就業時間中のオンラインでのミーティングが理想のコミュニケーション手段の第2位。
・産・育休者は、制度変更や人事異動など会社全体のニュースや復職後の自身の働き方についてコミュニケーションを取りたいと考えている。しかし実際には、上司とは自身や子どもの近況、人事とは手続きのやり取りに留まっている人も多く、理想と現実にギャップがある。

◆産・育休中に会社と連絡を取ることで、復職への不安が軽減
図1会社とのコミュニケーションと復職への不安の関係
復職への不安が軽減された、少し軽減されたと回答した人を合わせると75%でした。理由としては、会社の現在の状況が分かっていた方が復職後の仕事の仕方がイメージしやすく、不安が減るといった声が多く上がっていました。

◆相手の顔が見える就業時間中のオンラインでのミーティングを支持する声が多数
図2上司とのコミュニケーション手段
図3人事とのコミュニケーション手段
理想と現実ともにメールがトップのコミュニケーション手段でした。一方で、実際に利用されている電話やチャットよりも、就業時間中のオンラインでのミーティングの需要が高いという結果になりました。対面と比べ、子どもの預け先の確保などの産・育休者側の調整のハードルが低く、電話やチャットよりも相手の様子が分かりやすいという利点があることから需要が高いのではないかと考えられます。
またLINEなどのSNSがその他の回答として挙げられた背景として、産・育休中は会社から貸与されていたPCや携帯を返却する会社も多く、連絡手段が個人の携帯しかない、などのハード面で連絡の取りづらさを指摘する声もありました。

◆復職を見据え、制度変更や人事異動など会社全体のニュースや復職後の働き方についてのコミュニケーションが重要
図4上司とのコミュニケーション内容
図5人事とのコミュニケーション内容
子どもの状況や自身の近況に関しては、産・育休者主体でできるコミュニケーション内容のため、理想と現実に大きな差はありませんでした。しかし、産・育休者は上司とも人事とも、自身の所属する部署やチームの近況、復職後の働き方や会社全体のニュースについて復職時に備えて知りたい、話したいと感じていました。一方で、これらの内容については実際には話す機会を持つことができていない人も多く、理想と現実にギャップがあるということが分かりました。復職への不安を軽減するためには、職場についての情報を産・育休者に提供することが重要だと考えられます。
また、人事に対して、産・育休からの職場復帰の経験者や同じ時期に産・育休を取得している同僚と交流する機会の創出を望む声もありました。
  • 総括
アンケートの結果、約80%が産・育休中に会社と連絡を取ることで、復職への不安が軽減されると考えていることが分かりました。理由として、制度やチーム状況を知ることで復職後の働き方をイメージできる、自分の状況と仕事に対する姿勢をあらかじめ伝えることができる、といった回答が多数挙げられました。

一方で、産・育休者の多くが期待するコミュニケーションを職場側と実施できていないことも明らかになりました。産・育休取得者が職場と定期的な連絡を取ることで、産・育休取得者の不安がより軽減されることはもちろん、職場との認識のズレによりマミートラックに陥るケースを防ぐことや、十分な情報を得ていることでスムーズな職場復帰へ繋がると考えられます。

産・育休経験者が復職後もやりがいをもって働き続け、企業で能力を発揮する人材となるためには、産・育休中でも会社と気軽に連絡を取れる環境の整備や、産・育休中に復職後の両立に向け相互理解を深める方法について検討していくことが必要です。MIRAISは今後も有意義な育休を過ごし、その経験が職場復帰後にも生かせるよう、コミュニティ内外に向けて復職に向けたワークショップを開催するなど、全ての育休者が社会でイキイキと活躍できる未来のため活動を続けてまいります。
  • 調査概要
調査名:産・育休中の会社とのコミュニケーションに関するアンケート調査
調査方法:インターネット調査(育休コミュニティ「MIRAIS」を介した調査)
調査対象者:産・育休経験者
調査期間:2023/02/13~2023/03/10
サンプル数: 244名(女性228名、男性16名)
調査結果詳細:本リリースに添付されている別紙をご覧ください

※本資料に含まれる調査結果をご掲載頂く際は、下記のフォームに事前登録の上、必ず『育休コミュニティMIRAIS」調べ』と明記下さい。
https://forms.gle/2VbkDUFfqSXHWf2y8
  • 育休コミュニティ「MIRAIS」について

団体名 : 育休コミュニティ「MIRAIS」
代表者 : 栗林 真由美
発 足 : 2018年8月
URL   :https://www.ikukyu-mirais.com/


2018年8月に代表 栗林真由美が「”なんとなく過ごす育休”を変革する」をミッションに立ち上げた産・育休者のオンラインコミュニティ。イベントや企業コラボレーションなどの活動を行い、未経験分野にチャレンジしたり、育休をともに過ごす仲間と交流したりと「有意義な育休を過ごす」場を提供しています。2023年1月にのべ参加者1,000名を突破しました。MIRAISは日本社会の育休に対する概念を変革し、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)を推進してまいります。


*1:育休復帰支援プラン策定のご案内
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000067027.html

配信元企業:育休コミュニティ MIRAIS

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