書斎・図書館・PC・本

ある女性小説家が調査したところによると、本のタイトルに「少女」が含まれている時、著者が男性か女性かでその女の子が死亡する可能性が大きく変わるという。『The Guardian』『MPR News』などの海外メディアが報じた。


■タイトルに「ガール」を含む本

カナダ小説家であるエミリー・セント・ジョン・マンデルさんはかねてより、タイトルに「ガール(少女)」という文字が含まれている本に興味を持っていた。

そこで、書籍情報を扱う「Goodreads」のデータベースから、タイトルに「ガール」が含まれている本について調査を行い、記事を執筆したという。


関連記事:食べかけクッキーで警察にDNA鑑定を要求した少女 「サンタがいた証拠」として提出

■なぜこんなに多いの?

対象となる本は多く、『ゴーン・ガール』『ザ・ガール・オン・ザ・トレイン』などさまざまだ。マンデルさんは「タイトルに『ガール』が含まれている本は、何度もベストセラーに登場しています。なぜこんなにも多いのですか?」と問いかける。

また「どういった人がこれらの本を書いているのか、私はタイトルにある『少女』の運命を理解したかったのです」と、調査を行った動機について語った。


■2000冊以上の中から…

マンデルさんはアシスタントと協力して、Goodreadsから2,000冊以上の本を調査し、評価が250以下、または料理本や若者向けの本を削除。残った810冊の本を分析すると、「ガール」を含む本は79%が女性作家によって書かれたものだった。

また、タイトルの「少女」は実際には大人の女性であることが多く、65%が成人女性、28%が少女、7%は不明だったという。

■男性作家は殺害しがち?

マンデルさんは、タイトルに書かれた「少女」の生存率にも注目した。彼女たちの85%は生きており、14%は死亡あるいは行方不明、残り1%未満はアンデッドだった。

しかし、著者の性別で分けて同じ分析をすると、男性作家は女性作家よりもはるかに高い確率でその少女を殺害してしまうのだという。

マンデルさんによると、著者が女性の場合の「少女」は90%の確率で生きていたが、男性の場合は68%まで下がり、残りは死亡または行方不明になっていた。


■すぐには変わらない傾向

男性の本で「少女」の死亡率が高くなる理由について、「これを完全に説明する要因は考えられません」とマンデルさんは語る。

一方で、女性の本では低くなる理由については「女性はタイトルに『ガール』を入れた自身の回想録を書く可能性が高く、その場合、少女の生存率はほぼ100%でしょう」とした。

またマンデルさんは、自身の分析からこのような傾向は一過性のものではなく、すぐに終息する可能性は低いと予測している。

・合わせて読みたい→万引きに悩むコンビニ店主 「今週の泥棒たち」と題した防犯カメラ映像を公開

(文/Sirabee 編集部・びやじま

本のタイトルにある「少女」たちの運命は? 男性作家は女性に比べてある傾向が…