上海証券取引所では4月6日、メインボードで江蘇恒尚節能科技(603137/上海)、科創板で上海索辰信息科技(688507/上海)の2社が新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 江蘇恒尚節能科技は3267万株を発行予定で、公募価格は15.90元。2012年設立の民営企業で、20年に株式会社化した。建築用カーテンウォールおよびドア・窓の製品開発、エンジニアリング設計、加工・製作、取付・施工、アフターサービスを主業務としており、オフィスビル、複合商業施設、マンションなど各種建築に対応する。
 
 中国の建築用カーテンウォール業界の第1集団に属しており、中国建築装飾業界カーテンウォール部門の総合ランキングは18年の6位から21年には3位にまで上昇した。中国建築装飾協会カーテンウォールエンジニアリング部会から18年には建築用カーテンウォール製作・取付業界推薦優秀企業に、19年には全国建築カーテンウォール業界優秀企業に選ばれている。また、これまでに複数の関連国家級、省級エンジニアリング建設基準の制定作業に携わってきた。上海市、江蘇省といった華東地域で高い知名度を持つ一方で他地域での実績や知名度が乏しいことが課題となっており、新規上場で調達する資金を広東省での生産拠点建設に充てて珠江デルタ地域での市場開拓を目指す。
 
 22年12月期の売上高は19億4359万元(前期比5.99%減)、純利益は1億1753万元(同32.08%増)。23年1〜3月期の業績予測は、売上高が4億5000万〜5億1000万元(前年同期比13.92〜29.11%増)、純利益は5350万〜6600万元(同11.63%減〜9.02%増)。
 
 上海索辰信息科技は1033万株発行予定で、公募価格は245.56元。06年設立の民営企業で、20年に株式会社化した。コンピューター支援エンジニアリング(CAE)ソフトウェアの研究開発、販売、サービスを主業務としており、中国航発、中国船舶、航空工業、航天科技、航天科工、中国電子、中国電科、中核集団、中国兵工などの軍需工業グループや中国科学院傘下研究機関向けにさまざまな分野を網羅したエンジニアリングシミュレーションソフト、シミュレーション製品開発サービスを提供している。
 
 中国工業ソフトウェア産業白書のデータによれば、中国では研究開発設計系工業ソフトウェアの95%を輸入品に依存しており、中でもCAEソフトウェアは海外製品による独占状態が最も著しい分野で市場シェアトップ10がいずれも海外企業で占められている。同社は中国政府による各種産業の国産化政策推進という追い風の中で研究開発力、技術力を高め、関連製品や技術の国産化を実現し、海外企業による独占状態打破を目指す。
 
 22年12月期の売上高は2億6805万元(前期比39.11%増)、純利益は5376万元(同6.77%増)。23年1〜3月期の業績予測は、売上高が700〜900万元(前年同期比1.93%減〜29.06%増)、純損益が1600万〜1900万元の赤字(同8.89〜29.31%の赤字増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)

【上海IPO】6日は2社が公募開始、CAEソフト開発の上海索辰信息科技は公募価格245.56元