ムツゴロウさん』の愛称で知られており、動物に関するテレビ番組や本で活躍してきた、動物研究家の畑正憲(はた・まさのり)さん。

2023年4月6日心筋梗塞によって、畑さんが87歳で亡くなったことが分かりました。

全国各地で講演会やトークショーを開催するなど、たくさんの人に動物の魅力を発信してきた、畑さん。1972年には、北海道厚岸(あっけし)郡に動物と触れ合う施設『ムツゴロウ動物王国』を創設しています。

動物博士として親しまれてきた『ムツゴロウさん』の逝去に対し、ネットでは幅広い世代から別れを惜しむ声や、感謝する声が上がりました。

坂上忍、逝去を受けムツゴロウさんとの思い出を明かす

畑さんの逝去が報じられた日、タレントの坂上忍さんが自身のブログを更新しました。

坂上さんといえば、大の動物好きで知られるタレント。2023年4月現在、犬と猫を合わせると、なんと25匹のペットと生活をしています。

保護活動に取り組むほか、ペットのために新たな家を建てるなど、動物への強い愛を持つ、坂上さん。そんな坂上さんにとって、畑さんはいろいろな意味で尊敬する存在のようです。

2人の出会いは、意外なもの。坂上さんは、畑さんとの思い出を振り返り、このように想いをつづりました。

ムツゴロウこと.....畑正憲さんが逝去された。

わたし達の世代は、動物といえばムツゴロウさん。動物番組といえば、「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」である。

で、わたしとムツゴロウさんはといいますと.....。動物繋がり.....ではなく。最初は、麻雀繋がりだったんです。

まぁ、お強い方でした。というか、しぶとい先輩でした。勝負に対する執念とでもいうのでしょうか、ほぼ降りない印象でした。

ただ、気がつけば.....。『坂上どうぶつ王国』という動物の番組を、わたしが任されるようになり.....。それも、同じフジテレビさん。だったら、ご挨拶に伺わねばと.....。初回のスペシャルは、北海道までムツゴロウさんに会いに行ったのです。

久しぶりに、お会いしたムツゴロウさんは.....。相変わらず、優しくて怖かったです。

質問には、なんでも答えてくださいます。ただ、質問の仕方を間違えると.....目の色が変わります。はい、麻雀の時の目になるんです。でも、だから甘えられるんですよね。わたし、優しいだけの人は逆に怖さを感じてしまうので。

動物相手だけでなく、真剣になにかと向き合っていたら.....怖くて当たり前ですから。う~ん.....正確に言うと、「怖い」ではないんですけどね。で、実はその時お会いした際.....約束をしたんです。「また、会いましょうね」って。

わたしがもっともっと動物と向き合って、ムツゴロウさんに対しても.....。もう少し、胸を張れるようになったら.....必ず会いに来ますからって。で、麻雀をやりましょうって。

残念ながら、その約束を果たすことはできませんでしたが.....。報告には、いつでも行けますので。

でも、まだダメです。全然、足りないので.....。もっともっと、精進します!

坂上忍オフィシャルブログ ーより引用

なんと、畑さんと坂上さんの出会いのきっかけは、動物…ではなく、麻雀!動物の印象が強い畑さんですが、雀士としても知られています。

勝負に挑む時の畑さんは、「よーしよしよし」といいながら動物とじゃれ合っている時とは異なり、凄まじい執念と恐怖を覚えるほどの迫力があったのだとか。

2018年に、坂上さんがMCを務めるバラエティ番組『坂上どうぶつ王国』(フジテレビ系)が始まった際も、優しさと、時々ゾクリとする迫力を見せていたのだそうです。

きっと、動物に対しても、勝負ごとに関しても、いつも全力かつ真剣だからこそ、そういった二面性を持っていたのでしょう。

『麻雀のライバル』であり『尊敬する動物博士』であった畑さんに対する、尊敬の念が伝わる坂上さんのメッセージに、多くの人が心打たれました。

・さすがはムツゴロウさん。何に対しても厳しさを忘れない人なんだな。

ムツゴロウさんが麻雀をやっていたことに驚いた!動物の一面しか知らなかった…!

・尊敬していたんですね。きっと、ムツゴロウさんの動物への愛は坂上さんにも伝わってますよ。

「動物に関しても、麻雀に関しても、もっと精進したい」と決意を新たにした、坂上さん。

近い将来、坂上さんが胸を張れるようになった時、畑さんの墓前へ報告をしに行くのでしょう。


[文・構成/grape編集部]

出典
坂上忍オフィシャルブログ