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image credit:skmtgram/Instagram

 すぐれた作曲家として、世代や文化を超えて人々の共感を呼び、世界的な地位を確立した坂本龍一氏が、2023年3月28日に癌との闘病の末、この世を去った。享年71歳だった。

 同氏の50年におよぶキャリアでは、人々の心を大きく揺さぶる素晴らしい楽曲が生み出された。

 現在、同氏が作曲したノキアNokia)の着信音やアラート(警告音)をまとめた音源が、「着メロ集」としてインターネット上で公開され、注目を集めている。

【画像】 世界的に知られた坂本龍一氏が死去

Nokia 8800 ringtones [in honor of Ryuichi Sakamoto]

 幅広い音楽性で世界的に活動し、多くの人々に愛される曲を生み出した坂本龍一氏の訃報は、ファンのみならず、音楽業界に大きな衝撃を与えた。

 彼の死の発表を受けて、ジョニー・マー、クエストラブ、マッシヴ・アタックデヴィッド・ボウイ遺産管理団体などからは、同氏への追悼の意が払われたという。

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 先駆的なエレクトロニックバンド、イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)の創設メンバーだった坂本龍一氏は、50年におよぶキャリアの中で、映画作曲家として多くの曲を提供してきた。

 『ラスト・エンペラー』、『シェルタリング・スカイ』、『リトルブッダ』、『レヴェナント: 蘇えりし者』などの音楽を手がけた同氏は、『戦場のメリークリスマス』では曲を提供した以外にデヴィッド・ボウイとの共演も果たした。

 これまでの同氏の功績は、オスカーやグラミー賞、バフタ賞、ゴールデングローブ賞2つを含む数々の受賞に反映されている。

死を追悼してオンラインで坂本氏が手がけた曲の着メロ集が公開

 オスカーなど有名な賞を受賞した坂本龍一氏の楽曲は、将来にわたりこれからも耳にすることになるだろう。

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 だが、中にはあまり知られていない作品も存在する。その1つに、2005 年に提供されたノキアNokia)8800 用の着メロがある。

 現在、YouTubeチャンネルの Tech Product Bangers が、これらのオーディオ着メロ集・警告音集にして、オンラインで共有。「Asian-chant」「Duel」「N-choral」と題された曲を含む心地よいメロディーが集められている。

 Tech Product Bangersはツイッターでこのように綴っている。

坂本龍一に敬意を表して…Nokia 8800のすべての着信音とアラートのビデオ編集を作成しました。そのほとんどは彼の作品です。

彼の複数の素晴らしい音楽がここにあります。

 このビデオ編集には、坂本龍一氏が作曲した通知と警告音と、フランシスコ・タレガ氏の象徴的なノキアの着信音のピアノアレンジも含まれているという。

坂本龍一氏が残した言葉「芸術は長く、人生は短い」

 坂本龍一氏の「12」と題された最新アルバムは、今年1 月にリリースされたばかりだった。

 このアルバムは、ほぼ 6 年ぶりのサウンドトラック以外のアルバムで、各曲には20210310 や 20220302 など、作成された日付にちなんだ名前が付けられているそうだ。

 4月にはフランス、6月にはイギリスのマンチェスター国際フェスティバルに出演する予定をしていたという坂本龍一氏。残念ながらそれらを叶えることなく、この世を去った。

 同氏の訃報を発表した公式サイトでは、次のように記されている。

2020年6月に発見されたがんの治療を受けている間、坂本は健康が許す限り自宅のスタジオで作品を作り続けました。

彼は最後まで音楽と共に生きました。

(中略)

最後に、坂本のお気に入りの言葉の 1 つを共有したいと思います。『Ars longa, vita brevis.(芸術は長く、人生は短い)』です。

 その言葉通り、故坂本龍一氏の音楽は、これからも世代と文化を超えて人々に愛されていくだろう。

References:Ryuichi Sakamoto’s Nokia Ringtones Compiled Online In Memory Of Late Composer/ written by Scarlet / edited by parumo

 
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坂本龍一の死を悼み、過去に手がけた携帯電話の着信音をまとめた音源が世界で注目を集める