8日、明治安田生命J1リーグ第7節の横浜F・マリノスvs横浜FCの横浜ダービー日産スタジアムで行われ、ホームの横浜FMが5-0で圧勝を収めた。

昨季王者の横浜FMは第6節を終え、3勝1分け2敗の6位。前節はアウェイでセレッソ大阪に2-1で敗れており、なかなか調子が上向かない。対する昇格組の横浜FCは未だ白星がなく、4連敗中と苦しい戦いが続いている。

開始早々の5分にいきなりネットが揺れる。横浜FMはボックス内で水沼のパスを受けた山根がダイレクトで左足を振り抜き、会心の一撃を突き刺した。しかし、水沼がボールを受けた時点でオフサイドだったとして、VARオンリーレビューの結果、ゴールは取り消しとなった。

19歳山根の公式戦初ゴールが幻となった横浜FM。なおも先制点を目指して攻め込みたいところだが、チーム状態が上向いていないのは明白で、チャンスの起点となるキーパスが入らず、今季J1初先発のマルコス・ジュニオールもなかなか良い形でボールを受けられない。

対する横浜FCは前線の小川や近藤らが積極的なスペースへの動き出しを見せ、左利きカプリーニがボールを持ったときの独特の間合いには、横浜FMの選手もうかつに飛び込めない。ゴールを予感させるのは横浜FCのほうだった。

それでも、地力で上回る横浜FMは36分にチャンス。右サイドからのアーリークロスをボックス手前中央で受けたアンデルソン・ロペス横浜FCのDFと競り合う。ルーズボールに反応したマルコス・ジュニオールが左足を振ったが、ボールに力を伝えられず、枠には飛ばせなかった。

続く42分にも横浜FMに決定機。永戸のFKはボックス内で横浜FCのGK市川に弾き出されるかと思われたが、市川はボールを弾ききれずに後逸。ゴール前が無人となり、こぼれ球に反応した角田が左足でシュートを放ったが、とっさにカバーに入った横浜FCのンドカ・ボニフェイスに阻まれた。

前半は0-0で終了。横浜FMはシュート数で横浜FCを下回り、ゴール期待値も横浜FCの1.10に対して0.27と低調なスタッツとなった。

ところが、ハーフタイムを挟んで横浜FMは蘇り、後半開始早々に均衡を破る。47分、マルコス・ジュニオールがボックス手前で横浜FCの和田にチェイスしボールを小突くと、アンデルソン・ロペスが近距離でこれに反応。ワンタッチで斜めのパスを入れ、走り込んだマルコス・ジュニオールが冷静に左足でファーネットへ流し込んだ。

前半は重い空気が漂っていた横浜FMだが、持ち前の鋭い守備から先制点を奪ったことで一気に活性化。ハーフタイムに投入された藤田がポゼッションの中心となり、巧みに両サイドを使い分けていく。追加点までさほど時間はかからなかった。

62分、マルコス・ジュニオールが敵陣深い位置まで持ち運ぶと、ボックス左のエウベルへのパスを選択。エウベルは縦に仕掛け、中央へマイナスのグラウンダークロスを入れる。最後はアンデルソン・ロペスが左足ワンタッチで流し込んだ。

さらに68分には、左サイドマルコス・ジュニオールから右サイドの水沼へとサイドチェンジが入ると、水沼はワントラップからマイナスのパスを中央へ供給。走り込んだエウベルが右足で合わせると、横浜FCの吉野に当たって軌道が変わり、ネットに吸い込まれた。

横浜FMの勢いはとどまることを知らず、73分には畠中が自陣から前線へロングフィードを蹴り、最終ラインの裏に抜け出した水沼がボックスへラストパスを入れる。GKとの1対1になったエウベルはワントラップから難なく左足で流し込んだ。

試合終盤には5点目もゲット。90分、CKの流れから途中出場のヤン・マテウスが左サイドからクロスを上げると、ファーサイドで待ち構えたアンデルソン・ロペスがヘディングで合わせる。バックステップ気味のシュートで軌道は緩やかになったが、GKの頭上を超えてネットに吸い込まれた。

結局、後半にギアを上げた横浜FMが5-0で圧勝。横浜FCに地力の違いをまざまざと見せつけ、2年ぶりに開催された横浜ダービーを制した。

一方の横浜FCはポジティブな前半45分間だったが、後半開始直後の一瞬の気の緩みが分岐点に。大量リードを許してもなお果敢に攻め込み、15本ものシュートを放ったが、意地を見せることはできなかった。

横浜F・マリノス 5-0 横浜FC
横浜FM
マルコス・ジュニオール(後2)
アンデルソン・ロペス(後17、後45)
エウベル(後23、後28)