プレミアリーグ第30節、トッテナムvsブライトンが8日にトッテナム・ホットスパースタジアムで行われ、ホームのトッテナムが2-1で勝利した。なお、ブライトンのMF三笘薫はフル出場した。

インターナショナルマッチウィーク期間にコンテ監督との契約を解除し、ステッリーニ暫定体制でシーズン残りを戦うことになった5位のトッテナム(勝ち点50)。その初陣となった前節のエバートン戦は10人同士の戦いとなった中、1-1のドローに終わって2試合連続で格下相手の逃げ切り失敗となった。新体制初勝利を目指す上位対決ではエバートン戦と同じスタメンを採用。ただ、リシャルリソンがベンチに戻ってきた。

一方、6位のブライトン(勝ち点46)は前節、難敵ブレントフォード相手に3度のビハインドを追いついたがホームで3-3のドロー。だが、ミッドウィークのボーンマスとの延期試合では三笘のアシストもあって2-0の勝利。5戦無敗と好調を維持している。逆転でのトップ4に向けて勝ち点3を狙ったアウェイゲームでは、ファーガソンに代えてウェルベックを起用した以外同じメンバーを継続。三笘は左ウイングに入った。

立ち上がりから主導権争いが続く中、三笘に早速の見せ場が訪れる。6分、右CKの場面でファーに飛び出した三笘がワンタッチで折り返すが、これはゴール前でDFのクリアに遭う。

一方、ボールを握られながらもこの試合では序盤からカウンターに持ち込む場面を作り出すトッテナム。すると、三笘との日韓対決が戦前に注目された韓国代表のエースが圧巻の個人技でゴールをこじ開けた。

10分、セットプレーの二次攻撃からボックス手前左で横パスを受けたソン・フンミンが鋭いカットインでDFフェルトマンを一瞬外して右足を一閃。美しい軌道を描いたシュートがゴール右上隅に突き刺さり、アジア人選手初となるプレミアリーグ通算100ゴールのメモリアルゴールとなった。

早くもスコアが動いた上位対決はここからより動きのある展開に。引き続きボールを握って押し込むブライトンに対して、トッテナムも得意の高速カウンターで一気に局面を変える。

そういった中、今度はブライトンの日本代表に大きな見せ場。17分、中盤でのパスカットからマク・アリスターの浮き球パスに反応した三笘がゴール前に抜け出して肩口でのワントラップから見事な右足ボレーシュートを流し込む。ゴラッソでの今季8ゴール目かに思われたが、肩口でのトラップが右腕を使ってのトラップと判断され、VAR介入も最終的にはハンドでのノーゴール判定となった。

三笘の幻のゴールで同点に追いつくことができなかったブライトンだが、以降も畳みかける攻めを見せる。前半半ばにはマク・アリスター、カイセドが続けて鋭いミドルシュートを枠に飛ばすが、いずれもGKロリスビッグセーブに阻まれる。

その後は互いに決定機を作り合った中、攻勢のブライトンが追いつく。34分、右CKの場面で中央からうまくファーサイドに回ったダンクマーチの正確なクロスをドフリーの状態で頭で叩き込んだ。

1-1のイーブンに戻った試合はハーフタイムにかけても一進一退の攻防を見せる。三笘がボックス内で決定機に絡めば、トッテナムソン・フンミンやクルゼフスキがボックス内で仕掛けるシーンを作り出したが、互いに相手の身体を張った守備を上回れず。

後半も前半同様の展開が続く中、先に決定機を作ったのはトッテナム。52分、後方からのフィードにタイミング良く抜け出したペリシッチがボックス内に抜け出して左足のシュートを放つが、これはGKスティールの好守に遭う。

一方、ブライトンも55分にビッグチャンス。右サイドを崩してボックス中央でボールを受けたウェルベックが左足のシュートを放つと、ゴール前で味方のマク・アリスターにディフレクトしたボールがゴールネットを揺らす。だが、VARのレビューの結果、マク・アリスターの手にボールが当たっていたとの判定で前半に続き2度目のゴール取り消しに。

互いに勝ち越しゴールを目指す中、試合前から選手以上にやり合っていたデ・ゼルビ監督と、ステッリーニ監督らコーチ陣の激しい小競り合いから両指揮官レッドカードが掲示され、いずれも指揮官不在で残り時間を戦うことに。

指揮官退席に動揺することなくピッチ上では以降もインテンシティの高い攻防が繰り広げられる。その中で日程面のアドバンテージを生かして徐々に球際の勝負で優勢に立ったトッテナムは、カウンターからケインやクルゼフスキらが幾度か決定機に絡んでいく。

後半半ばを過ぎてブライトンはファーガソン、ウェブスターを、トッテナムはダンジュマと互いにフレッシュな選手をピッチに送り出すと、79分に試合が動く。

サイドで三笘のパスを引っかけたロメロからソン・フンミン、ホイビュアとパスを繋いでボックス右に侵入すると、ダンジュマのランニングでDFを引き付けて完全に浮いたボックス中央のケインにマイナスのパスが入る。これをケインが右足で合わせると、DFにディフレクトしたボールがゴール左に突き刺さった。

一瞬の隙を突かれて勝ち越しを許したブライトンは、ここからリスクを冒して前に出る。フェルトマンを下げてエンシソを投入し、グロスを右サイドバックに回す形で攻勢を強める。

その後、パプ・サールとタンガンガと守備的なカードを切って逃げ切りを図るホームチームに対してブライトンサイドの幅を使った攻めでゴールをこじ開けにかかったが、試合終了間際に右クロスに反応した三笘のヘディングシュートはブロックに阻まれて万事休す。

この結果、両指揮官退席の激しい上位対決を制したトッテナムが、新体制初白星を奪取。一方、内容面では互角以上の戦いを見せたが、2度のゴールがハンドで取り消しとなった不運に見舞われたブライトンは6戦ぶりの黒星となった。

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