自宅のトイレを使用中に「温水洗浄便座の調子が悪い」「水の流れが悪い」といったケースに遭遇したことはないでしょうか。この場合、部品を交換するか、トイレをリフォームする必要があります。

 ところで、便器や便座などは、何年程度使い続けることができるのでしょうか。「陶器製の便器は割れない限り、使い続けられる」という話を聞きますが、本当なのでしょうか。便器などの製造を手掛けるTOTO北九州市)広報部本社広報グループ、山崎明子さんに聞きました。

温水洗浄便座は10年が目安

Q.便器や便座などのトイレ設備は、何年程度で交換した方がよいのでしょうか。

山崎さん「トイレは、陶器で製造されている便器、温水洗浄便座などの便座、通水部分に使用されている金具など、さまざまな部品で構成されています。便器は経年劣化しにくいですが、便器の内部に使われている『パッキン』という樹脂部品や、温水洗浄便座に使われている電子部品は、経年劣化していきます。

こうした理由から、使用年数が長くなると不具合が多発する恐れがあります。トイレについては、一般的に、新品の状態から15~20年経過した頃に器具を交換するか、リフォームを実施するケースが多いです。

温水洗浄便座は電気製品であるため、当社は想定安全使用期間を10年に設定しています」

Q.トイレ設備を交換する際の目安について、教えてください。どのような故障や劣化が生じた場合、交換すべきなのでしょうか。

山崎さん「基本的には『水漏れ』のほか、『温水洗浄便座が異常に熱く、温度を調整できない』『便座や陶器に割れ、ひびが入っている』といった場合、業者に修理を依頼するか、部品の買い替えを推奨しています。

例えば、先述のパッキンが劣化すると、水漏れが発生するようになります。陶器製の便器は丈夫ですが、硬い物を落としてしまうと、ひびや割れが生じる可能性があるので、注意してください」

Q.では、陶器製の便器は割れない限り、使い続けることができるのでしょうか。それとも、定期的に交換した方がよいのでしょうか。

山崎さん「陶器製の便器は、基本的に10年以上使い続けることが可能です。ひびや割れがない限りは、使い続けても問題ないでしょう。ただし、便器に破損がなくても、水漏れや温水洗浄便座の不具合などが生じた場合は、先述の通り、当該部分の修理や買い替えを検討してください。

使用上問題がなくてもトイレを交換すると、洗浄時の水量が少なくなり節水効果が高まるほか、『快適な最新機能が使える』『お掃除がしやすくなる』などの利点があります。ぜひ一度、当社のショールームで最新商品をご覧いただければと思います」

オトナンサー編集部

「便器は割れない限り、使い続けられる」は本当?