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 ロッテ佐々木朗希投手が6日、ZOZOマリンスタジアムでの日本ハム戦で今季初先発登板。6回を1安打無失点、11奪三振の好投であっさりと今季初勝利をマークした。今回も持ち味の160キロ台のストレートが見られたが、注目されたのはスライダー。オフに新たな握りを試し、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の強化合宿中にパドレスダルビッシュ有投手から手ほどきを受け、磨きをかけた。

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 この日は松川虎生捕手とバッテリーを組んだが、出だしはスライダーを出し惜しみしたきらいがある。6回にマウンドを降りた時の球数は80球。そのうちスライダーはわずか4球しか投げなかった。

 佐々木朗はWBCから帰国後に1度も実戦登板せず、ぶっつけ本番でレギュラーシーズンの初マウンドに臨んだ。チームも春先は先発投手に球数制限を課しており、この日も70~80球程度だったという。そんな中でも佐々木朗は危なげない投球で、1回に日本ハムの万波中世に唯一の安打を許したものの、その後は17者連続アウト。内、5連続三振を含む11奪三振と圧巻の投球で日本ハム打線を完璧に封じ込めた。

 序盤はストレートが主体。初回は160キロ台のストレートがこの日最速の164キロを含めて10球を数え、2回は3球。その後は4回に160キロが1球あっただけだった。一方、フォークは計26球だった。

 スライダーについては配球に採り入れたのは打者が2巡目となった4回から。ZOZOマリンスタジアムは強風で有名で、この日も左翼から内野の方向に最大風速14メートルの強風が吹いていた。この場合、右投げのスライダーは風に乗って大きく曲がりやすく、効果的に使っていく投手も多い。ところが佐々木朗は途中までスライダーに頼ることなく、ストレートとフォークで組み立てた。

 報道などでは、今季のスライダーについて松川は「(去年とは)全然違います。まっすぐの軌道で結構曲がるので。使っていけば幅が広がるなと思います。去年まで(のスライダー)はカットボールぽかった」と話し、横滑りが大きな変化に様変わりしていたという。

 このスライダーは「スイーパー」と呼ばれ、大リーグでも昨年からトレンドとなっている。年々使用率が上がっているといい、昨季の大リーグでも全スライダーのうちスイーパーが使われたのは22・5%。12%だった2020年よりも頻度が大幅に増えているというデータもある。

 球界関係者も「スライダーをあえて多投しなかった理由の一つは他球団に研究されるのを防ぐためでもある。NPB統一試合球で再び投げるようになって日も浅く、本格的に新たなスライダーを用いるようになるのは次戦以降では」と推察する。

 佐々木朗の場合は、ストレートとフォークだけで十分に通用するとの指摘もあり、これにスイーパーが増えれば、鬼に金棒。投手タイトルの争いに名乗りを上げる存在になりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

ロッテ・佐々木朗希 初登板で11奪三振 160キロ右腕に加わった「新たな武器」とは