
最近、人気YouTuberが一軒家を建てたり、購入したりしたことを報告して注目されている。過去には、はじめしゃちょーが3億円の豪邸を購入した際、場所を特定されて迷惑行為を受けているという事件もあるなどリスクもささやかれているが、それでもなおYouTuberが一軒家にこだわる理由は何なのか紐解いていく。
・有名YouTuber、一軒家を買うそれぞれの理由
カズチャンネルのKazuは生まれ育った福井県で、築100年を超える古民家を改装した。黒く燻された天井の梁を嬉しそうに眺めて「イケメン」と興奮するKazu。木材が黒くなるのは、囲炉裏の煙でいぶされるからなのだとか。カズチャンネルは「古民家はロマン」と語ったうえで「安く買えるから、という理由で購入するのは危険」と注意を促した。
実際に、家の前の更地をアスファルトにするのに約200万円、解体費用に160万円、階段を設置するのに100万円など、リフォームの総額は合わせて約2800万円になったと驚きの額を公開した。苦い顔をして頑張って働きます!と言いつつも、改装を一緒に手伝いながら出来上がっていく様子を嬉しそうに配信するカズチャンネル。自分の故郷に自分の好きな家を建てる、というロマンはリスクをとっても叶えたいものなのかも知れない。
フィッシャーズ・マサイが家を建てた理由は「家族と自分のため」。もともと持ち家がなく、家族の家賃を負担して自分と同じマンションに住んでもらっていたマサイは葛藤があったという。それは、家賃の負担が大きくこの先も払い続けていくことのモヤモヤと、実家と呼べるような帰る場所がないこと。
そこでマサイは「俺個人の家じゃなく、次の世代に引き継ぐための土地と家として家族にプレゼントしました」と発表した。「亡くなったお母さんも家がほしいという思いがあったけど叶わなかったから、それを叶えたいと思った。家族が幸せじゃないと自分も幸せじゃない」「現状維持派だったけど、家のローンができて気合いが入った」と覚悟を決めるマサイにメンバーのシルクロードも「家買うってドラマあるよな」としみじみと言った。
ルームツアーでは、至る所にコンセントを増設したことを強調するマサイ。賃貸は改造ができないので、機材をたくさん使うYouTuberにとって使い勝手のいい部屋にできるのも家を買うメリットと言える。
27歳シングルマザーのまあたそは、岡山に立てた一軒家のルームツアーを1年越しに公開。もともとは自分も住んでいたおばあちゃんの家だったものを建て替えた。子どもの頃「THEおばあちゃんち」の自分の家にコンプレックスがあったというまあたそは、シルバニアファミリーのおうちのようなメルヘンな内装にこだわった。
また、お母さんが仕事をするための書斎や子どもの安全を確認できる小窓など、家族への愛が詰まった家になっている。視聴者からも「お金稼いでタワマン住むんじゃなくて家族みんながのびのび出来る可愛いお家建てるっていうのがまぁたそぽくて最高」「27歳シングルマザーが一軒家建てるのがどれだけ大変か。本気の尊敬」とお祝いされていた。
・YouTuberと会社員 一軒家に憧れる理由は同じかもしれない
数ヶ月前、はじめしゃちょーの仕事場兼マイホーム、通称「3億円ハウス」に不法侵入しようとする人がいたり、家の前で記念撮影をする家族がいたりと、迷惑を被っていることが発覚した。そんなこともあり、有名人の一軒家購入はリスクが高いのではないか?という雰囲気も漂っている。しかし、YouTuberも家族と一緒に住む家を建てたい、自分の思い描いていた家に住みたい、という思いは一般の人と同じだ。特にYouTuberは収入が安定しにくい職業なので、将来のために自分の居場所を作っておきたいという気持ちも大きいのではないか。
また、一軒家を買えば大規模な部屋の改装や自由自在な設計が可能な点もメリットだ。電源や防音などを充実させた配信部屋を作ったり、ファッション系YouTuberならクローゼット、料理系YouTuberならキッチンを広めに設計した間取りにしたりなど選択肢も広がる。
家族のための家、自分の夢をこめた念願の家、それそれの大事な思いを潰さないためにも、YouTuberのプライベートが守られるようにファンとしての配慮を忘れないでいたい。
(文=中野亜沙子)

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