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 熟練した技術や判断能力を身に着けるためには、まず訓練から入らなければならない。特に、国家警察など重要機構の職員は、あらゆる状況を想定した訓練を公の場でも実施しているようだ。

 アメリカで、訓練中のFBIおよび米国防総省の捜査員が、ホテルで模擬訓練をしていた際に、間違った部屋に突入してしまうという失態を冒してしまった。

 捜査員らは、無関係の宿泊客である男性パイロットに手錠をかけて1時間以上拘束した後、ようやく過ちに気付き謝罪したという。

【画像】 突入する部屋を間違えたFBI捜査員

I-Team: Federal agents enter wrong Boston hotel room, interrogated man during training

 4月4日の午後10時頃、ボストンにあるリビアホテル15階の客室番号1505に宿泊していたデルタ航空の男性パイロットは、激しくドアを叩く音で目を覚ました。

 何事かとドアを開けると、突然見知らぬ男たちが突入。彼らはFBIと国防総省の捜査員たちだった。

 捜査員らは、30代の男性に手錠をかけ、シャワーを浴びさせ、約45分間尋問。1時間以上にわたって無関係の男性を拘束した。

 しかし、ようやく間違った部屋に入ったことに気付いた連邦捜査官は、男性の手錠を外し、謝罪した。

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 この日、模擬訓練演習の一環として、捜査員らは容疑者役をの捜査員が滞在していた部屋に突入しなければならなかった。

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 にもかかわらず、部屋を間違ってしまい、途中で気が付くことなく無関係の男性を拘束してしまったのだ。

 FBI ボストン支部の捜査官は、誤りを認め、次のような声明文を発表した。

2023 年 4 月 4 日午後10時頃、FBI ボストン課はボストンのホテルで国防総省 (DOD) の訓練演習を実施し、犯人役を準備し、配備された環境で職員が突入するという状況を訓練する支援をしていました。

不正確な情報に基づいて、彼らは指定の部屋ではない部屋に送られ、犯人役ではなく、無関係の個人を拘束しました。

幸いなことに、怪我人はいませんでした。 ボストン警察署に電話があり、現場に対応して、これが実際に訓練であったことを確認しました。

安全は、常にFBIと法執行機関の優先事項であり、今回の1件を非常に真剣に受け止めています。

FBIボストン課は、適切と思われる更なる措置のために、国防総省と共にこの1件について対応しています。
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デルタ航空も声明文を発表したが男性の名は明かされず

 5日午前0時20分頃、この1件はホテルのセキュリティ側に通知され、警察とEMS(救命救急士)が現場に呼ばれることになった。

 だがパイロットの男性は、治療を拒否、また、メディアにこの出来事をコメントすることも拒否しており、デルタ航空側も男性の名を公表していない。

 今回の件を受け、デルタ航空は次のような声明を発表している。

ボストンデルタ航空関係者が関与した疑いのある事件の報告を調査しています。現時点では、従業員の安全と福利を確保する以外に、共有できることは何もありません。

 なお、今回の訓練を指揮した指導官は、被害を受けた男性パイロットに深い謝罪の意向を示しているということだ。

 天下のFBIでもこんな初歩的ミスを犯すこともあるようだ。謝って拘束されたパイロット男性はさぞびっくりしたことだろう。

References:FBI agents handcuff, interrogate Delta pilot after entering wrong hotel room in training mishap / written by Scarlet / edited by parumo

 
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訓練中のFBIの捜査員らが、突入する部屋を間違い無関係の男性を拘束