北京証券取引所への上場を目指す、煙台民士達特殊紙業(833394/北京)が4月12日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。3500万株を発行予定で、公募価格は6.55元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2009年設立。アラミド(全芳香族ポリアミド)繊維紙およびその派生品の研究開発、生産、販売を主業務とする。アラミド繊維紙は高い強度のほか、高温に強く燃えにくい、絶縁性が高い、腐食や放射線に強いといったさまざまな特性を持ち、電力・電気、航空宇宙、軌道交通、新エネルギー、電子通信、国防などさまざまな分野で利用されている。米デュポンなど海外メーカーの独占状態にあったものの、同社は重要技術でブレイクスルーを果たし、中国企業として初めて国産アラミド繊維紙の大規模生産を実現。現在までに、アラミド繊維紙製品の世界市場シェアは10%と、デュポンに継ぐ世界2位にまで成長した。
 
 製品は中国国内だけでなく欧州、米州、アジアなどの海外市場でも販売されており、22年12月期の売上構成は中国国内が70.47%、国外が29.53%。中航集団、中国中車、スイスABB、独シーメンス、仏シュナイダーエレクトリック、パナソニックなど中国内外の企業が直接の顧客または末端顧客となっている。絶縁用途では新エネルギー自動車や変圧器、マイクロメーター、電子製品分野の需要が、ハニカム構造芯材製品では飛行機分野の需要が急速に伸びており、新規上場に伴う調達資金で生産能力を拡大し、さらなる成長を目指す。
 
 22年12月期の売上高は2億8207万元(前期比29.48%増)、純利益は6341万元(同70.10%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)

【北京IPO】アラミド繊維紙大手の煙台民士達特殊紙業が12日に公募開始、3500万株発行予定