ビックカメラ4月6日、都市型店舗のビックカメラで予想に織り込んでいなかったインバウンド売り上げが好調で2023年8月期第2四半期(22年9月1日~23年2月28日)の連結業績予想を上方修正した。売上高は4076億円で前回発表比0.1%増、営業利益は73億円(同5.8%増)、経常利益は84億円(同5.0増)、親会社株式に帰属する当期純利益は42億円(同50.0%増)となる見通し。

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●政府の水際対策緩和で回復基調に



 23年8月期第2四半期の売上高は、コロナ禍における巣ごもり需要の反動減が想定より続いていることを受け、郊外型店舗を展開するコジマで前回予想を下回る見込みとなったが、都市型のビックカメラで織り込んでいなかったインバウンド売り上げが好調。22年10月に政府が実施した水際対策の緩和による影響が大きい。

 利益面では、コジマの売り上げ減少に加え、粗利益率が比較的低い商品の売上構成比が上昇したことなどにより売上総利益額が前回予想を下回る見込みとなったものの、ビックカメラなどが好調に推移し、各利益は予想を上回る見込み。

 また、親会社株主に帰属する当期純利益の大幅な増加は、連結子会社ソフマップの業績回復により、繰延税金資産の計上で税金費用が減少したことによるもの。


●通期は増収見込むも営業利益と経常は下方修正



 23年8月期通期では、売上高は8300億円(同0.8%増)と増収に上方修正したものの、営業利益は155億円(同10.4%減)、経常利益は175億円(同9.3%減)、親会社株式に帰属する当時純利益は前回予想と同じ78億円を見込む。

 通期の売上高はコジマによる巣ごもり需要などの反動減による影響が続くと想定して下方修正するものの、ビックカメラインバウンド売り上げの回復により上方修正した。

 ただ、通期の利益面は、コジマによる売上高の減少と、足もとの市場環境を踏まえた売上総利益率の低下に伴う売上総利益額の減少に加え、ビックカメラにおける戦略的な店舗人員の増加による固定費増を見込むことから、営業利益と経常利益を下方修正した。
インバウンド売り上げが好調で上方修正したビックカメラ