外出自粛やリモートワークの普及により生活の中心が家庭へと移り、自炊の機会が一気に増えるなど、消費者の生活は一変しました。

コロナ禍で飲食業界の雇用不安が広がる中、店舗に頼らないニューノーマルな働き方として「出張シェフ」が注目されています。

出張シェフサービスを運営する「シェアダイン」では、コロナ禍の影響が出る以前の2019年と比較すると、飲食店出身のシェフの登録が急増しています。

コロナ禍をきっかけに出張シェフの活動を始めたシェフの中には、レストラン勤務の頃と比較して年収が2倍になったシェフや、年収1,000万円を目標とするシェフが出てきました。

今回は、「いづまるシェフ」に出張シェフのリアルな話をお伺いしました。

いづまるシェフ

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料理の道に進まれたきっかけについて、教えてください

私は東京出身で、大学を卒業してから、IT企業に就職しました。はじめは広告の部署に配属され、お客様のサポート提案などをしていました。その後は会社全体が見られるような仕事がしたいと考え、経営企画部門に移り、目標数値の管理や経営層への報告などの業務に従事しました。

それから、さらに経営に密接な仕事がしたいと思い、取締役の秘書職として別の会社に転職したのです。その会社は伸び盛りだったため、忙しく、自炊することも少なく不規則な生活を送っていました。

当時は風邪をひきやすかったり、慢性的に肩こりがあったりと、あまり健康的ではない生活を送っていたんですね。リンパマッサージの先生の勧めで「酵素ファスティング」を試してみると、体調が良くなり、肌の質感なども変わりました。そこで、食べるものが重要だと気付いたことが、料理の道に進むきっかけです。

ご自身の健康や美容のために、料理と関わり始めたということですね

はい、通っていたリンパマッサージの先生から、ファスティングなどについて教えて頂き、本格的に食事について勉強したいと思いました。インナービューティーダイエットなどについて調べるようになり、仕事を続けながら約半年間インストラクター養成スクールに通い、日本インナービューティーダイエット協会の「インナービューティープランナー」という資格も取っています。

また、料理についても、マクロビオテックの教室に通い始め、理論やお野菜のゆで方といった実践手法を身につけました。そのスクールに通い始めて間もなく、その先生がカフェを出すことになり、その後に仕事を辞めて1年くらいお店で働きました。

その後、料理とはどのような形で関わっていったのでしょうか?

料理の仕事がしたいという想いがあり、キッチン付きシェアスペースでヴィーガンのお店を出していたこともあります。一押しメニューは、切り干し大根春巻きでした。ヘルシーでありながら、ボリュームもあると好評でした。そのほかは副菜として旬の野菜で4品くらい作っていました。いろいろとやり方を模索しているうちに、出張料理という仕事に行きつきました。

シェアダインを知ったのはどういうキッカケでしたか?

私は野菜料理が好きなので、そういったお客様向けに自分のホームページを作ったり、Instagramで投稿したりしていたものの、お客様を獲得することは難しかったですね。そのような時に、たまたまシェアダインがテレビで紹介されていて、私がかつて通っていたインナービューティダイエットスクールの出身者が、シェフとして出ていたのです。

それから1年くらい経った2022年の夏頃に、シェアダインに登録しました。当時シェアダインは「プロフェッショナルな仕事だな」と感じたので経験を積んでから応募しました。

シェアダインに登録しようと思ったのは、自分の作る料理とお客様のマッチングがうまくいく仕組みだと考えたからです。自分の料理を求めてくださるお客様のもとに、お伺いできると思い、シェアダインを選びました。

シェフにとって、シェアダインの良さはどのようなところでしょうか

シェアダインの良いところは、初めての方が応募してくださることが多く、リピーター様も私のスケジュールが空いている日時に応募してくださるところです。シェアダインのシステムの中に、お客様とやりとりできるチャットが組み込まれているので、便利です。

あとは予約をして頂ける前の段階で、私をお気に入りに登録してもらえると、チャットで相談できる機能が付いているのもありがたいです。まだ予約をされていない方とも、スケジュールの調整などすり合わせができるところも助かっています。

今後の目標について教えてください

最近、物件を借りてそうざい製造業の許可を取りました。シェアダインのシェフとしてご家庭に伺うことはもちろん、ヴィーガンというライフスタイルを広げていくような活動を続けていきたいと考えています。また、大人数や企業向けなどにも、料理を提供できたらいいです。

働き方としては、毎日2軒伺うようなシフトは、体力的に厳しいため、シェアダインと別の仕事を半々くらいでやっていけるのが理想です。そういった点で、シェアダインの出張シェフは自分の時間の調整もできて、働きやすさはあると思います。

リピートいただいているお客様からは、「体の変化があった」「こういった料理がおいしかった」「またこれを作ってください」など、直接言ってくださるので、励みになります。とても細かくフィードバックしていただけることもあり、これからもお客様の声をメニューに反映していきたいです。

[文:食の専門家による出張料理サービス「シェアダイン」]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

【シェフインタビュー】いづまるシェフ 自身の健康と向き合う中で料理に出会い、ご家庭にヴィーガン料理をお届け