3月11日に発表された「第十七回声優アワード」で、新人女優賞を受賞した永瀬アンナ。同賞は2006年の創設以来、上坂すみれ内田真礼高橋李依和氣あず未ら現在華々しく活躍している声優陣が多数受賞しており、永瀬も今後のさらなる飛躍が期待されている。そんな彼女のこれまでをまとめる。(以下、出演作のネタバレがあります)

【写真】爽やかな花柄衣装の永瀬アンナ…まだ18歳!

■2021年に活動開始した若き新星

声優アワードの新人賞は、声優としてデビュー5年以内、そして対象期間となる年度で新人賞を取るにふさわしい、特に目立った活躍をされた声優というのが条件とされている。

2005年3月31日生まれの永瀬は、声優としてテレビアニメ「バック・アロウ」のトム役、ディズニーが新世代のクリエイターを支援するプロジェクトで製作された「若きバンパイアの憂鬱」の日本語吹き替えなどで2021年から活動中。そんな彼女の2022年は、まさしく飛躍の年だった。2022年4~9月までの2クールにわたってテレビ放送&配信された「サマータイムレンダ」ではヒロイン役を射止め、7~9月放送の「ユーレイデコ」でもメインキャラの一人を担当した。

公式プロフィールには生まれ年が入っていないこともあり、この3月に高校を卒業、18歳になったことを自身のTwitterで報告すると、その年代であったことに驚きの声が。それは「サマータイムレンダ」で堂々とした演技を披露していたことも大きいかもしれない。

■「サマータイムレンダ」とは

サマータイムレンダ」は、漫画誌アプリ「少年ジャンプ+」(集英社)にて2021年まで連載され、累計1億3000万PVを獲得した田中靖規による同名漫画が原作。主人公の網代慎平(CV:花江夏樹)が幼なじみの小舟潮(CV:永瀬)の死をきっかけに、生まれ故郷である和歌山の離島・日都ヶ島に伝わる謎の存在“影”と死闘を繰り広げ、真相を解き明かしていく様子を、全25話、2クールかけて完結まで描いた。ディズニープラスにて見放題配信中だ。

永瀬演じる潮は、海難事故で命を落とした17歳の少女。だが、やがて“影”として慎平の前に戻って来るという展開となる。

■高い演技力で強きヒロインを好演

サマータイムレンダ」のTVオンエアが終わった2022年10月、永瀬は自身のTwitterで「オーディションに参加できた事が奇跡。受かったのはもっと奇跡。田中靖規先生、渡辺歩監督をはじめ偉い大人の皆様、私を見つけてくれてありがとうございます」とつづった。

一方、YouTubeのジャンプチャンネルで放送開始前に公開された対談で、原作者の田中はオーディションをサッとやって帰るという永瀬の姿を見て「潮感がありました」と振り返り、渡辺監督は「オーディションの第一声でスパッとハマるイメージがありましたね」と語っていた。

本人は奇跡と言っていたが、潮という役にぴったり当てはまる素質を持っていたことがうかがえる。

そして、放送が始まるとSNSには演技を評価する声が相次いだ。東京出身の永瀬だが、和歌山弁を出身者かと思うほどの会得ぶり。その上で、潮の明るく元気なところ、そして正義感や強さを表現した。

特に話題になったのが、第12話だ。主人公の慎平と共に立ち向かうべき相手の元に乗り込んだ“影”潮は、妹の幼なじみが策略に巻き込まれていたことを知り、「人間なめんな!」と叫んだ。

見る者の胸を打つ、心の底からくる叫び。声優として声質がイメージと合っていることに加えて、キャラクターとシンクロして心情を表現する演技力の高さが感じられた。

■TVアニメ「呪術廻戦」第2期への出演が決定!

2023年はテレビ東京ほかで放送された女子柔道漫画が原作の「もういっぽん!」で、主人公の先輩・姫野紬を演じ、活躍を広げている。

そんな中、7月6日(木)からスタートするシリーズ第2期となる「呪術廻戦」(毎週木曜夜11:56、TBS系)に参加することが発表された。同作で永瀬は、天内理子役を担当する。500年に一度、呪術界存続のため“不死”の術式をもつ天元と同化しなければならない宿命を背負っているという少女。どんな表現で魅せてくれるのか注目だ。

◆文=ザテレビジョンアニメ部

永瀬アンナ /※画像はWEBザテレビジョン タレントデータベースより