2023年4月11日(火)、CRE 戦略支援等を行うククレブ・アドバイザーズ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:宮寺之裕、 以下「当社」)は東証から2023年3月31日に「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」と題し、プライム企業、スタンダード企業の経営者に向けて通知がなされたことを受け、今後より一層、企業価値向上にむけたCRE戦略が重要になることを予想し、CRE戦略に関するレポートを公表しました。
以下、ご一読頂き経営戦略にお役立てください。



自社の不動産活用についてお悩みの経営企画セクション、財務セクション、総務セクションの方々や、企業にCRE戦略の提案を仕掛けるのにどうしたら良いのか?とお悩みの不動産会社・コンサルティング会社の方々がいらっしゃるのではないかと推察します。
本レポートでは、日頃報道等において耳にすることが多くなったCRE戦略について、実際に現場にて数々の実例を経験してきた筆者が、CRE戦略とは何か?CRE戦略の歴史から、東京証券取引所(東証)の市場改革とCRE戦略の関係など、最新のトレンドまで幅広く解説します。
この記事は約5分程度で読める記事となっております。CRE戦略について色々とお調べになっている方はぜひご一読下さい。


CRE戦略とは?



CRE戦略の定義の前に、まず「CRE」とはCorporate Real Estateの頭文字をとった造語で、そのまま日本語で表すと、「企業不動産」という意味となります。
企業が現に保有または賃貸・賃借しているあらゆる不動産、具体的には、営業活動の中心となる「オフィス」、生産活動を行っていれば「工場」、商品開発を行っていれば「研究所」、その他「社宅」や、「物流センター」など、企業が事業活動を行うために必要な資産を「企業不動産」と呼びます。
CRE戦略の定義を検索エンジンなど使って検索すると、様々な定義が存在しており、決まった定義は存在しておりませんが、国土交通省のウェブサイトによれは、
CREとは、『企業不動産について「企業価値向上」の観点から経営戦略的視点に立って見直しをおこない、不動産投資の効率性を最大限向上させていこうという考え方』
と定義されています。
この「企業価値向上」という観点を、戦略を実行する当事者(企業側)がどのように企業不動産を活用して実現するか、その意味で
CRE戦略とは、『企業不動産について、その最適な保有・利用方針を経営戦略・財務戦略と合わせて日頃から検討し、然るべきタイミングで戦略性を持って実行すること』
と筆者は考えます。


CRE戦略の歴史



企業不動産を売却・有効利用するような行動自体は古くから行われてきましたが、2000年代に入ってからより経営戦略的視点で実行されるようになりました。CRE戦略という意味では、2000年以降、4つの大きなフェーズに分けられます。
第1フェーズ(2000年~2006年)・・・バブル経済崩壊の影響を受けた資産リストラ
第2フェーズ(2007年~2011年)・・・決算を意識した売却益やキャッシュの創出
第3フェーズ(2012年~2019年)・・・新規投資に向けた前向きなCRE戦略
第4フェーズ(2020年~現在) ・・・所有と経営の分離、持たざる経営への転換


第1フェーズ


企業はSPC(Special Purpose Company:特別目的会社)を組成し、そのSPCに不動産を売却し、自らもそのSPCへの出資を通じて形として所有権を移転しながら、実質的な運営はこれまで通り行う(所謂セール&リースバック取引)というものでした。
多くの企業はバブル経済崩壊後の長引く経済不況を凌ぐために、保有する資産を売却することで資金調達を行いながら、不採算事業のリストラなどを実行しました。現在でもセール&リースバック取引は行われておりますが、この頃の手法は実質的には資産を担保にした資金調達の色合いが強く、その後の会計制度の変更により、オフバランスの要件も厳しくなりました。


第2フェーズ


2008年頃に発生した、サブプライム問題・リーマンショックに端を発した世界同時不況による日経平均最安値更新など、回復基調にあった日本経済が再び下落基調になるタイミングで、多くの企業は資金調達と合わせて決算を意識した経営戦略を求められた時代でした。
その中で、古くから保有し帳簿価格の低い不動産を売却することにより、売却益を計上するなど決算の数字を意識した取引が多く見られました。


第3フェーズ


サブプライム・リーマンショックから脱却した世界経済の回復基調に合わせ、大規模な金融緩和や規制緩和による需要創出を狙った、所謂アベノミクスにより企業業績も回復基調になり、前向きな新規投資(工場建設等)が多く行われ、その新規投資資金を、財務戦略の一環として、銀行借り入れだけに頼らず、外部資金(不動産ファンド等)を活用した開発型の資産流動化など、CRE戦略という言葉がこのフェーズから世間一般にも認識された時代でした。


第4フェーズ


2020年に世界的に発生した新型コロナウイルスに端を発したコロナショックによる、行動制限などによる経済活動への大打撃と、テレワークの普及による「新しい生活様式」(オフィスに出社しなくても仕事ができる)がより明確となったことにより、大手企業が保有する本社ビルを売却するなど、「企業の不動産売却が加速、持たざる経営への転換」(日本経済新聞2021年4月5日付記事)という流れや、本業に直接関係のない不動産を手放す動きも顕著となるなど、CRE戦略に対する意識の高まりが顕著となっており、実際に過去5年における上場企業の不動産売却件数を追うと、コロナ禍にあったここ2年は過去と比べても高水準での企業不動産の売却が確認されています。


上場企業における不動産の売却件数(累計)
上場企業における不動産の売却件数(累計)

CRE戦略はなぜ必要か?


CRE戦略というと、単純に不動産を売却することをイメージするかもしれませんが、CRE=不動産売却ではありません。
CRE戦略には、経営戦略・財務戦略の視点から、長期的な経営方針における戦略の実行(売却・購入・賃貸・賃借)が伴う必要があり、先ほどのCRE戦略の歴史の通り、6~7年の中期的スパンで発生する経済イベント(●●ショック的なもの)において、企業業績に大きな影響を与えることとなる「不動産」、その保有する企業不動産一つ一つについて、どのようなポジション(帳簿価格と時価の関係、立地の特性等)を持っているかを詳細に把握することで、初めて戦略を伴う施策となり、最終的な「企業価値向上」として株式市場における評価につながることから、CRE戦略は企業にとって必要なのです。
(つづきは以下よりご覧ください)


CRE戦略とは?経営企画・財務部門必見の注目ワードを実務経験豊富な専門家が解説!~PBR1倍割れ企業が続出する現状におけるCRE戦略の重要性~


ククレブ・アドバイザーズ株式会社 会社概要


設  立 :2019年7月
所 在 地 :〒101-0047
      東京都千代田区内神田一丁目14番8号 KANDA SQUARE GATE 8F
資 本 金 :400,000,350円(資本準備金含む)
事業内容 :AI・IoT を活用した CRE 営業支援ツールの企画・開発・販売、
      CRE アドバイザリー業務、コンパクト CRE 不動産投資・開発業務等
サ イ ト :https://ccreb.jp/


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ククレブ・アドバイザーズ株式会社 経営企画本部
E-mail:ir@ccreb.jp