田中貴金属グループの製造事業を展開する田中貴金属工業株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長執行役員:田中 浩一朗)は、半導体製造の検査工程で用いられるプローブカード及びテストソケットのプローブピン用新合金である「TK-FS(https://tanaka-preciousmetals.com/jp/products/detail/probe-pins/?nav=func)」(ティーケーエフエス)を発表いたします。本製品はすでに2022年7月よりサンプル出荷しておりますが、引き続き研究開発を進めたことにより、さらなる高性能を有する材料となりました。

<「TK-FS」製品画像>


 田中貴金属工業では、これまでは、主に半導体パッケージのファイナルテスト用(後工程)のテストソケットにてポゴピンタイプで使用されるプローブピン向けに、パラジウム(Pd)系素材を多く製造販売していました。今回発表した「TK-FS」は、ポゴピンタイプのみならず、ウェハーテスト用(前工程)プローブカードのカンチレバータイプや、バーチカルタイプなど、幅広いタイプのプローブピンに対応できる材料です。本製品は、ビッカース硬さ500以上、電気抵抗率7.0µΩ・cm以下、10回以上の繰り返し折り曲げ耐性という3つの機能を有します。高硬度、低電気抵抗率、高屈曲性という3つの機能を同時に達成する材料は、田中貴金属工業の既存製品にはありませんでしたが、本製品はこの課題を解決することに成功し、同一材料で、様々なタイプのプローブピンへの適用が可能となりました。


 半導体製造過程では、半導体が正常に動作するかどうか、何年動作が可能なのか、安全に動作できるのかなどを、半導体検査装置を使用し、いくつかの段階に分けて検査します。半導体検査装置による検査は、半導体が用いられている製品のメインとなる動きの性能を判断するため、非常に高い信頼性が求められます。IoTの普及が進む昨今、電子機器のみならず、自動車や家電などの幅広い分野にも半導体が必需品となるなど、半導体関連製品の需要が拡大するとともに、半導体検査装置市場のさらなる展開も予想されています。

 本製品は、高いビッカース硬さ・低い電気抵抗率・高い屈曲性といった機能を併せ持つ材料であることから、様々なタイプのプローブピンとしての適用が可能であり、半導体検査装置における長寿命化と低コスト化への寄与が期待できます。
 本製品について、2028年までに既存製品の2倍の出荷量を目標としております。将来的には、既存プローブピン用製品の多くを「TK-FS」へシフトすることを目指しています。田中貴金属工業では、今後、ますます拡大していくことが予想される半導体市場の発展への貢献を目指します。

■「TK-FS」の特徴
・ビッカース硬さが500以上、7.0µΩ・cm以下の電気抵抗率を持ち、10回以上の繰り返し折り曲げ耐性(当社基準)といった3つの機能を同時に達成
・独自の加工技術により、幅広いビッカース硬さ(400~520)で調整して提供が可能
・田中貴金属工業の既存のプローブピン材料よりも、高い伸び率(8%~13%)を持つ

<プローブピン用材料特性比較(硬さ/電気抵抗率@20℃)>

<プローブピン用材料特性比較(伸び率)>

■田中貴金属グループについて
田中貴金属グループは1885年(明治18年)の創業以来、貴金属を中心とした事業領域で幅広い活動を展開してきました。国内ではトップクラスの貴金属取扱量を誇り、長年に渡って、産業用貴金属製品の製造・販売ならびに、資産用や宝飾品としての貴金属商品を提供しています。貴金属に携わる専門家集団として、国内外のグループ各社が製造、販売そして技術開発において連携・協力し、製品とサービスを提供しています。
2021 年度(2022年3月期)の連結売上高は7,877億円(※)、5,225人の従業員を擁しています。
※当連結会計年度より収益認識に関する会計基準の適用により、売上高は一部の取引において純額表示しております。

■産業事業グローバルウェブサイト
https://tanaka-preciousmetals.com

■製品問い合わせフォーム
田中貴金属工業株式会社
https://tanaka-preciousmetals.com/jp/inquiries-on-industrial-products/

【プレスリリースは下記URLよりダウンロードをお願いいたします。】
https://prtimes.jp/a/?f=d31501-20230412-31d450e3550dd98f3da75a82e3c7459d.pdf

配信元企業:TANAKAホールディングス株式会社

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