聖地・国立競技場にサラリーマン姿のイケメンコールリーダーが現れた。

9日、国立競技場日本フットボールリーグ(JFL)第5節のクリアソン新宿vsブリオベッカ浦安が行われた。観衆1万1150人を集めた試合は、都並敏史監督率いる浦安が36分に先制するも、ホームの新宿はFW佐野翼が後半だけで2得点。新宿が2-1で逆転勝利を収めている。

浦安にとっては関東サッカーリーグ時代からしのぎを削る相手に悔しい敗戦となったが、浦安サポーターが陣取ったゴール裏ではある光景が話題に。サラリーマン姿の若い男性が拡声器を片手にコールリーダーとして応援を盛り上げた。

この男性は篠田朋宏さん(28)。実は昨年まで浦安に在籍していた元サッカー選手だ。高校サッカーの名門である青森山田高校から東洋大学へと進み、卒業後はJFL時代のFC大阪アルテリーヴ和歌山、そして、2020年から昨年までの3年間を浦安でプレーし、現役を退いた。

本人に伺ったところ、現在はサッカーを離れ、営業マンとして都内の一般企業に勤めているそう。この日は仕事の合間を縫って、引退後初となる古巣の試合観戦に訪れたという。

そんななか、篠田さんは浦安時代に選手と並行して小学生カテゴリーコーチを務めており、ゴール裏に応援に駆けつけていた教え子から「しのコーチがコールリーダーやってよ」と拡声器を手渡されたとのこと。顔馴染みのサポーターからの後押しもあり、即席コールリーダーとして声を出すことになったようだ。

これらの経緯を知らない観客にとっては、「サラリーマンらしき男性が応援を盛り上げている」光景が目新しかった模様。SNSでは「スーツ姿のイケメンが登場してビビった(何者なんだ!!)」「めっちゃカッコよかった」といったコメントが上がっている。

篠田さんはまさかの大役を振り返り、「去年まで一緒にプレーしてた選手たちが闘っているなか、クラブの子どもたちも沢山応援しに来ていたので、ここは僕がやるしかないと思いました。応援って選手目線から言うと最高に嬉しいし、半端ないパワーを貰うんです。その想いが少しでも選手に届けば良いなと思い、全力で応援しました」と語った。

残念ながら浦安は篠田さんらの応援むなしく敗れ、開幕5試合未勝利で最下位を抜け出せなかった。

それでも、篠田さんは古巣に対し、「結果が出ないと精神的にキツイです。でも、ブリオベッカのみんななら必ず挽回できるので、僕も引き続き全力で応援します」とエール。拡声器を片手に応援を盛り上げるサラリーマン姿の篠田さんをまたどこかでお目にかかれるかもしれない。

なお、浦安の次節は15日。ゼットエーオリプリスタジアム(市原臨海競技場)に高知ユナイテッドSCを迎え撃つ。

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