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 2023年4月8日、火球(流星)がアメリカ北東部の上空を、音速の壁を破るほどのスピードで駆け抜けた。大気圏に突入した火球は、はっきりと確認できるほどの大きさだったという。

 巨大な隕石がカナダ・アメリカの国境付近に落下した可能性がある。

 そこで、アメリカ、メイン州にある「メイン鉱物・宝石博物館(Maine Mineral & Gem Museum)」では隕石に懸賞金をかけた。

 1kg以上の隕石を最初に発見した人には2万5千万ドル(約335万円)が提供されるという。 

【画像】 巨大な火球を観測、隕石が落下した可能性

 4月8日午前11時57分(現地時間)、メイン州上空で明るい火球が観測された。この火球は、地球に向かって飛来した小惑星や彗星の破片が大気圏に突入し、摩擦熱で発光したものである。

 その火球は昼間の明るさを圧倒するほどの光を放ち、4分以上にわたってメイン州や隣接するカナダの多くの場所から目撃された。

 その一部は地表に到達し隕石となって落ちている可能性が高いという。

また、アメリカ航空宇宙局(NASA)カナダ航空宇宙局(CSA)などの機関や団体が設置したカメラやセンサーも、その軌道や速度などを記録した。

・合わせて読みたい→ブラジルで観測された火球、太陽系外から来た可能性

 これらのデータから、火球は北西から南東に向かって飛んでおり、最終的にはアメリカとカナダの国境付近に落下したと推定されている。

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アメリカとカナダの国境付近に落下した隕石をレーダー信号から算出した散布界の推定値。10kg(赤)から1g(黄)までのスケールで表示されている / image credit:NASA

最初に約1kg以上の隕石を発見した人に335万円

 330万円相当の懸賞金は、重さは1kg以上の隕石のかけらを最初に発見した人物に与えられる。また、もっと小さなものでも相応の報酬が与えられるとのことだ。

 宇宙の石を探すだけで330万円ゲットだなんて、おいしい儲け話と思うだろうか? だが話はそう甘くはなさそうだ。

 アメリカ北東部でカナダと国境を接するメイン州は、9割が森林におおわれている。つまりは森の中で宇宙の石探しをしなければならないということだ。

 「メイン州の森の中で隕石探しです。たやすい環境ではないでしょう」と、懸賞金をかけた、メイン鉱物・宝石博物館のダリル・ピット氏は語っている。

 「人口が少ない地域ですが、ほとんどの隕石が落ちる場所、つまり海に比べればマシですよ」

[もっと知りたい!→]もしも自分のいる場所に隕石が落ちたらどうなる?「隕石落下シミュレーター」で被害を予測

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隕石を見分けるコツ

 自分も隕石ハントにチャレンジしたいというお友達がいれば、前回紹介した「隕石を見つけるコツ」をヒントに探すといいかもしれない。

 隕石には「見た目の割に重い」、「磁石にくっつく」(一部例外あり)といった特徴がある。他に「溶けた痕跡」も隕石と普通の石とを見分けるヒントだ。

 ちなみにメイン鉱物・宝石博物館では、2016年にも隕石に懸賞金をかけたことがあったが、結局見つからずじまいだったそうだ。

 だがピット氏は、今度こそ隕石ハンターが奮って参加してくれるはずと、かなり期待しているという。

 果たして、誰がこの宇宙からの贈り物を手に入れることができるのだろうか?

References:Maine Museum Will Pay You $25,000 for Piece of Space Rock – ARTnews.com / Museum offers $25,000 for a space rock that landed on US-Canada border.html / written by hiroching / edited by / parumo

 
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アメリカ・カナダの国境に落ちたとされる隕石に懸賞金がかけられる。第一発見者には335万円