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(写真:アフロ

4月15日午前11時25分ごろ、和歌山県・雑賀崎の漁港で岸田文雄首相(65)の応援演説前に爆発物が投げ込まれた事件。爆発物を投げ込んだ木村隆二容疑者(24)は漁師らに取り押さえられ、威力業務妨害の容疑で現行犯逮捕された。

「投げ込まれたのは銀色の鉄パイプのような物でした。警察は殺傷能力の有無などを調べるとともに、16日未明から兵庫県川西市にある木村容疑者の自宅を家宅捜索。また、木村容疑者のリュックサックには爆発物の形状に似た筒が複数入っていただけでなく、彼がナイフを所持していたことも明らかに。事件の全容解明に向けて、捜査が進められています」(社会部記者)

海外メディアも速報を打つなど、国内外に震撼が走った首相襲撃事件から一夜明けた16日。テレビ各局がこぞって事件を特集するなか、ある情報番組が物議を醸している。それは、早朝5時50分から生放送された『サンデーLIVE!!』(テレビ朝日系)。

6時45分ごろから現場にいた目撃者のインタビューや事件当時の状況などを紹介した後、爆発物の“正体”にフォーカス。銃器研究家による解説VTRが流れたが、“作り方を教えている”として批判の声が上がっているのだ。

「出演した専門家は『パイプ爆弾』だと推定した上で、実際に金属の筒を手に持って火薬の種類や作り方を説明していました。放送当時はまだ警察が家宅捜索をしている時間帯で、爆発物が“手製のもの”だと明らかになったのはその後でした。爆発物について警察から正式な発表はまだありませんし、ましてや爆弾の作り方を紹介する番組に“模倣犯が出たらどうするんだ”と懸念を抱いた視聴者が少なくなかったようです」(週刊誌記者)

放送時間はわずか40秒ほどだったが、ネット上では“配慮に欠ける”として厳しい声が相次いでいる。

《なんで爆弾の作り方教えてんだよ》
《知識を披露したいのはわかるけど、手製の爆弾の作り方をTVで放送するなよ》
《爆弾の作り方を普通に報道してるのやば…同じような事件起こす煽りじゃんこれ》
《TVで手製パイプ爆弾の簡単な作り方を紹介してる。それ周知する必要ある? 模倣犯を増やしたいのかな》

「昨年7月に安倍晋三元首相(享年67)の命を奪った銃撃事件で、凶器となったのは山上徹也被告による手製銃でした。山上被告はインターネット動画で作り方を調べ、ネットで購入した薬品で火薬を作ったと供述していました。以後、警察庁は銃や爆発物の作り方を教えるサイトや、火薬の原料となる薬品を販売する業者に対して警戒を強化。

今回のように情報番組で爆発物の作り方を紹介することは、銃や薬品作りを指南する有害サイトと同じと捉えられても仕方ありません。爆発物の再現を試みる人が出てくる恐れも考えられますし、事件の取り扱いにはもっと配慮すべきかと思います」(前出・社会部記者)

他の情報番組でも同様のことが繰り返されなければよいが……。