2009年の結成から2021年まで、ユニットコンビ「たりないふたり」として数々の漫才を生み出した、オードリー若林正恭南海キャンディーズ山里亮太の半生を基にしたドラマ「だが、情熱はある」(毎週日曜夜10:30-11:25、日本テレビ系)。4月16日放送の第2話に、山里(森本慎太郎)の大学時代の先輩・米原役で、宮下雄也が出演。宮下は、同ドラマの時間帯で3月まで放送されていた「ブラッシュアップライフ」で“粉雪の加藤”を演じて話題となった俳優。今回、全くの別人役にもかかわらず「粉雪の加藤だ!」とTwitterが沸きまくり、「#粉雪の加藤」がトレンド入りするほど盛り上がった。

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■大学寮で山里と同室になる、熱血寮長・米原

このドラマは、若林と山里の半生を基にした青春サバイバルストーリー。“極度に人見知りな超ひねくれ男”(若林)と、“妬み嫉みの固まり男”(山里)、そんなたりない2人の友情物語でもないしサクセスストーリーでもないが、もがきながらも“情熱はある”人生を描いていく。(以下、ネタバレを含みます)

両親から「大学はちゃんと出る事」という条件付きで、芸人への夢を許された山里は、関西大学に入学し、大阪吉本の養成所“NSC”と両立しようと決める。大学の男子寮に入った山里は、熱血寮長の米原と同部屋になるのだが、この米原役が宮下。登場するや否や、「加藤じゃん!」「粉雪の加藤キター!!」と、コメントが殺到した。

■“粉雪の加藤”こと宮下雄也って、どんな人?

“粉雪の加藤”とは、ドラマ「ブラッシュアップライフ」に登場した、主人公の中学時代の同級生・加藤。セリフはほとんど無く、いわゆるモブキャラのような存在だったが、成人式後の中学の仲間の集まりでカラオケボックスに行った際、巨体からは想像できない美声で「粉雪」を熱唱し、高い歌唱力が視聴者を釘付けに。そのシーンが何度も出てきた為、“加藤の「粉雪」”を心待ちにする視聴者が続出。Huluでは、「加藤の粉雪」のロングバージョンが配信されるほどの大人気となった。

宮下は、2000年に浅倉大介プロデュースのダンスユニットでデビュー。そして、2001年にオーディションから生まれた4人組のボーイズグループ“RUN & GUN”のメンバーとなった。現在は舞台を中心に俳優として活動しているが、グループも3人組となり継続中だ。

■「オマエ、芸人にならなくてええの?」

宮下は、今回も「いいわけ」や「今宵の月のように」など何曲も熱唱。しかし、今回は歌だけの加藤とは違い、彼が演じた米原は山里を芸人人生の扉に立たせた重要人物。失恋した山里をうどんを食べに連れて行ってやったり、ドライブに誘ったりと、弟のように可愛がっていたが、サークル合コンに…と浮かれて芸人の夢から逃げている山里に、「オマエ、芸人にならなくてええの?」と釘を刺す。「いつでもなれるんですよ」「今は学生生活が充実してるから」と、まだ逃げようとする山里に「それでええんやな?」と、米原は再度尋ねる。無言の山里にガッカリして帰ろうとする米原。その背中に向かって、「芸人になるのがコワいんです」と山里は本心を打ち明けた。

だったら辞めるのか、ときく米原に、小声で「やりたいです」と答える山里。「何になりたいって?」と問い、「芸人になりたいです!」と言った山里に、声が小さい、と何度も決意を口に出させる米原。言うたびに大声になり、絶叫の応酬となった。そして、ありったけの大声で「芸人になろうとします!!」と叫んだ山里に、米原はNSCの入学願書とペンを渡すのだった。この本気のぶつかり合いに、「めっちゃいい先輩じゃん」「アツくて泣いた」と感動コメントが溢れ返った。

■叶った米原の夢とは…

山里はNSCの入学面接で、大学の校歌を全力で歌い、自分をフッた女子への恨みつらみを爆発させて失恋話を熱弁した。結果は後日だが、「きっと落ちたな…」と思った。

そして、4年生の米原が卒業で寮を出る日。退寮の挨拶をした米原が「そして今日、オレの夢が1つ叶いました」と続け、「オレの弟分の山里亮太…」と彼の元に歩み寄り、NSCの合格通知を手渡した。山里が芸人になる事が、米原の夢になっていたのだった。自分の事以上に喜んで「天下獲れよ!」と涙ながらに合格を称える米原に、山里も胸がいっぱいになりながら何度も頷いた。

「米原先輩にめちゃくちゃ泣かされた」「いい役すぎる」「今回限りは惜しい」と、“加藤”に続き“米原”も視聴者を鷲掴みにした様子。いつか恩人として再登場するのを期待したい。

◆文=鳥居美保/構成=ザテレビジョン編集部

山里(森本慎太郎)の先輩・米原を演じた“粉雪の加藤”こと宮下雄也/(C)日テレ