難民申請中のナイジェリア人、エリザベスアルオリオ・オブエザさんを支援する市民グループが4月17日、東京・永田町で、出入国在留管理庁長官あてに人道配慮に基づく「在留特別許可」をもとめる請願書とネット署名2万6878筆を提出した。

1991年に来日したエリザベスさんは、女性器切除FGM)の強制から逃れたことや、「ビアフラ」という地域の民族組織のメンバーであるため、帰国すれば迫害されるおそれがあるという。難民不認定処分を2012年に受けて、現在2度目の難民申請をしている。

自身も日常生活を制限される「仮放免」でありながら、東日本入国管理センター(茨城県牛久市)の収容者を長年にわたって支援する活動を続けていることから、NHKの『ETV特集』(2021年1月)で取り上げられるなど、注目をあつめている。

エリザベスさんの代理人をつとめる指宿昭一弁護士は「日本政府・入管は難民認定を(なかなか)出さない。正論だけでは難民認定や在留特別許可も出ないという状況の中で、(今回の署名を)プラスアルファの材料として、入管に考慮してもらいたい」と話した。

ネット署名は、エリザベスさんの生き方に共感して、支援している市民グループ『with Elizabeth』が、署名サイト「change.org」で2月20日から集めたもの。まだキャンペーンは続いており、今回は第1弾だった。今後、齋藤健法務大臣宛にも提出する予定。

エリザベスさん「わたしは難民、だから日本に来ました」

現行の入管法では、難民申請中は強制送還されないルールになっているが、国会で審議されている改正案では、3回目の申請以降は「相当の理由がある資料」の提出がなければ、原則として強制送還できるようになる。

エリザベスさんによると、強制送還されたら「間違いなく殺される」という。請願書とネット署名提出後の記者会見で、エリザベスさんは「自身は難民である」ことを強調しつつ、涙ながらに帰国しない「覚悟」を示した。

「わたしは難民、だから日本に来ました。もう帰りません。もし今度の入管法(改正案)が認められたら、刑務所に行く覚悟はできています。日本で平和的に暮らしてきましたが、どうしてもここにいることができなくなったら、私を罰してください。

(日本の人たちは)アフリカの人をテロリストだと思うかも知れないが、そうじゃなくて、彼らは自分たちを守るために戦っています。わたしの国では、政府に認められない人たちが毎日のように殺されています。

その人たちが逃れてきて、生きようとしていることをちゃんとサポートしないなら、わたしはサポートして戦います。わたしは戦うことが認められず、それが罰せられるならば、(日本の)刑務所に行く覚悟です」

「帰国したら間違いなく殺される」 ナイジェリア人の「在留特別許可」求める署名「2万6878筆」提出