スーパーで販売されている野菜や果物は、厳しいチェックを通過して売り場に陳列されている。ところが先日、イギリスのスーパーでバナナを購入した男性が自宅でビニールの包装を開けたところ、バナナの上に動いている大きなクモを発見した。クモはお腹に白い袋を抱えており、この中には約200個の卵が入っていたと、英ニュースメディア『Metro』などが伝えた。

英バークシャー州ウィンザー在住のクレイグ・ハリソンさん(Craig Harrison、35)は先日、スーパーマーケット「テスコ(Tesco)」で1房のバナナを購入した。自宅に戻りバナナを1本食べ始めたクレイグさんは、ビニールの袋に包まれたままのバナナの上で何かが動いたことに気がついた。向きを変えてよく見てみると、そこには卵の入った白い袋をお腹に抱えた大きなクモがいたのだ。

このクモは「ハンツマン(Huntsman)」と呼ばれており、アシダカグモ科の中で最大のクモとして知られている。長い脚が特徴で、脚を含めた体長は最大で15センチにもなる。その大きさはときに人々を驚かせるほどで、過去にはオーストラリア在住の男性が家に棲みついたハンツマンを見守り続け、1年後に大きく成長した姿を公開して話題になったことがある。またハンツマンは毒を持っているため、咬まれると患部に炎症を起こしたり、頭痛や吐き気をもたらすことがあるが、命に関わる危険性はないという。

クレイグさんは「こんな衝撃的な恐怖を感じたのは生まれて初めてのことでした。見えない場所にハンツマンが潜んでいたようで、お店でバナナを選んだときには全く気がつきませんでした。普段はそこまでクモを怖がらないのですが、今回の件は別物で、一生分の恐怖を味わいましたね」と語った。卵を抱えているハンツマンは攻撃的になりやすいが、クレイグさんは慎重にハンツマンを誘導し、手持ちのタッパーの中に捕獲した。ハンツマンは一度に200個の卵を産むそうで、この卵が孵ってしまっていたらと考えると恐ろしい。

翌朝、クレイグさんがハンツマンの入ったタッパーをテスコの害虫駆除サービス部署へ持っていくと、このバナナはドミニカ共和国から輸入されたものと判明した。テスコはすぐにクレイグさんに謝罪し、補償金として100ポンド(約1万6千円)を支払うことを申し出た。しかしクレイグさんは「100ポンドなんて、週末の買い出し代にも満たないですよ。卵を守るハンツマンに攻撃され、咬まれていたかもしれないんですよ?」とテスコの提案に不満を漏らしている。

今回の件に関して、テスコ側は「私たちはクモの混入を防ぐために厳重な対策を講じていますが、ごくまれにクモが紛れ込むケースもあります」と説明しており、チェック対策をさらに強化したと公表している。

クレイグさんは「包装された野菜や果物を購入する際には、クモなどの虫が混入していないか気をつけてほしい」と警告しており、「これからは包装済みのものは全てチェックするか、できればバラ売りのものを買うようにします」と話した。

画像は『Metro 2023年4月13日付「Shopper finds world’s largest venomous spider with egg sac in Tesco bananas」(Picture: Caters News Agency)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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