チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝2ndレグ、チェルシーvsレアル・マドリーが18日にスタンフォードブリッジで行われ、アウェイのマドリーが0-2で勝利した。この結果、2戦合計0-4としたマドリーの準決勝進出が決定した。

先週行われた1stレグはベンゼマとアセンシオが前後半にゴールを挙げたマドリーが、チルウェルの後半序盤退場で数的不利を背負ったチェルシーに2-0のスコアで先勝した。

数字上は逆転突破に望みを残したチェルシーだが、先週末のブライトン戦では主力温存というエクスキューズはありながらも、新体制初のホームゲームでブライトンに1-2の逆転負け。低調な内容での新体制3戦全敗となり、今回の大一番へ弾みはおろか、大きな不安を抱えて臨む形に。ランパード監督は初勝利と共に逆転突破を目指す一戦で1stレグから先発4人を変更。負傷と退場で不在のクリバリとチルウェルの代役にチャロバーとククレジャを起用したほか、フェリックスとスターリングの2トップに代えてギャラガーとハヴァーツを起用。最前線のハヴァーツの下にギャラガーカンテを並べた[3-4-2-1]で臨んだ。

一方、初戦で試合を殺し切れなかったものの、ベスト4進出をほぼ手中に収めたマドリー。直近のラ・リーガではカディスとのアウェイゲームで大幅なターンオーバーを敢行した中、苦しみながらも2-0の快勝。リーグ2戦ぶりの白星を奪取し、敵地でのリターレグを迎えた。アンチェロッティ監督は1stレグと全く同じメンバーを起用し、3トップは引き続きロドリゴ、ベンゼマ、ヴィニシウスが入った。

プレス強度の高いトリデンテを起用し、良い守備からのショートカウンターという形で課題の得点不足解消を図ったチェルシー。相手の強力3トップに対してほぼ同数で対峙する後ろのリスクを背負い、立ち上がりからアグレッシブなハイプレスで主導権掌握を目指した。

ここ最近は入りの部分で緩みが目立つアウェイチームに対して、自分たちのリズムで狙いとする攻撃を繰り出していくと、11分には最初の決定機を創出。最後尾のチャロバーからの対角フィードに反応したリース・ジェームズが右の深い位置に抜け出して早いタイミングでクロスを供給。ニアでハヴァーツがうまく潰れたこぼれに反応したカンテが左足を振っていくが、当たり損ねたシュートは枠の右に外れる。

立ち上がり15分の守勢を凌いだマドリーは、相手のプレスの勢いがやや落ちてきたことでようやく相手陣内でボールを動かす時間を作っていく。そして、20分には右サイドモドリッチ、カルバハルとパスを出し入れした後、ボックス右で縦に仕掛けたロドリゴが右足を一閃。だが、このファーストシュートは惜しくも右ポストを叩いた。

前半半ばを過ぎると、試合は膠着状態に。前半の内にゴールがほしいチェルシーは2シャドーウイングバックで数的優位を作り出すサイドを起点に深い位置から鋭いクロスを幾度も供給していくが、中の枚数が足りず。なかなかフィニッシュまで持ち込めない。

対するマドリーは守勢を強いられてなかなかボールを握って相手陣内でプレーできないが、モドリッチとバルベルデのインテリオール、3トップを起点としたロングカウンターで効率よくフィニッシュまで持ち込む。だが、モドリッチベンゼマのシュートはGKケパの好守などに阻まれてゴールとはならず。

前半アディショナルタイムには右サイド深くに侵攻したジェームズの高速クロスがゴール前の密集を抜けてファーでフリーのククレジャに渡るビッグチャンス。だが、元バルセロナDFがすかさず放った左足シュートは勇気を持って間合いを詰めたGKクルトワビッグセーブに阻まれ、絶好のゴールチャンスを逸した。

ホームチームがペースを握ったものの、ゴールレスで折り返した試合。後半先に動いたのはアウェイチーム。何らかのアクシデントかアラバが前半のみの出場となり、スタンフォードブリッジ初帰還のリュディガーが投入された。

後半は互いに勢いを持って入った中、前半同様にチェルシーが先に決定機を作り出す。52分、右に流れてボールを引き出したハヴァーツの際どいクロスの流れからボックス内で競り勝ったギャラガーの落としをカンテが右足ボレーで合わすが、これはDFミリトンの身体を張ったブロックに阻まれる。

この最初の決定機をモノにできなかったが、スタンドの熱狂的な後押しを生かして畳みかけるランパードのチームは、エンソ・フェルナンデス、ハヴァーツと続けてボックス付近で足を振っていくが、元守護神が守るゴールを脅かし切れない。

一方、辛くも失点を回避したマドリーは58分、後半最初の決定機をものの見事にゴールに結び付けた。相手の守備陣形が間延びした状況で最後尾のミリトンから右サイドで浮いたロドリゴへ斜めのパスが供給される。スピードに乗ったロドリゴはスライディングでのカバーを試みたDFチャロバーを寸前でかわし完璧に入れ替わってボックス内に侵入。グラウンダーの折り返しはゴール前に飛び込んだベンゼマには合わずも、ファーでこぼれ打球を回収したヴィニシウスが冷静に折り返したボールをロドリゴがワントラップから左足で蹴り込んだ。

前回対戦同様に決定力の差を見せつけられてビハインドを背負ったチェルシーは、すぐさま反撃に転じてギャラガーエンソ・フェルナンデスと枠内にシュートを飛ばすが、いずれもGKクルトワの守備範囲。

68分にはククレジャとギャラガーエンソ・フェルナンデスを下げてムドリク、スターリングフェリックスと3人のアタッカーを一気に投入。この交代でスターリングとムドリクが両ウイングバック、ジェームズがセントラルMFに。さらに、77分にはハヴァーツを諦めてマウントピッチに送り出した。

一方、3点差を付けて逃げ切りを意識するマドリーベンゼマクロースとベテランを下げてチュアメニ、セバージョスを続けてピッチに送り出す。リスクを冒して前に出る相手に対してカウンターやロングボールを使った攻めが嵌り出すと、トドメの2点目が決まる。

80分、最後尾のリュディガーからのロングフィードに左サイドで反応したヴィニシウスが冷静にゴール前に走り込むバルベルデに横パスを繋ぐ。巧みなステップワークでムドリク、チアゴ・シウバをかわし、ゴール左でGKケパを完全に引き付けたウルグアイ代表MFからのプレゼントパスを再びロドリゴが難なく流し込んだ。

これで勝利を確信したアンチェロッティ監督は殊勲のロドリゴとカルバハルを下げてアセンシオとナチョの投入で試合を締めにかかる。後半最終盤はオープンな展開となって互いにゴールへ迫ったが、このままのスコアでタイムアップ。

この結果、2戦共に2-0で完勝した王者マドリーが順当にベスト4進出を決定。翌日に行われるバイエルンvsマンチェスター・シティの勝者を一足早く準決勝の舞台で待つことに。一方、最後まで決定力不足改善とはならなかったチェルシーはランパード体制4戦全敗で今季の目標を早くも失う形となった。

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