2005年から続く大人気犯罪捜査ドラマ待望の新シーズン「クリミナル・マインド／FBI vs. 異常犯罪：エボリューション」(ディズニープラス「スター」で独占配信中)。4月19日に最終回直前の第9話が配信され、物語が急展開。ベテラン捜査官ロッシが凶悪犯シカリウスの家族との接触に成功した一方、重要参考人タイラーが失踪。それぞれの知られざる過去も明らかになるなど、これまでの伏線が回収される内容盛りだくさんのエピソードだった。(以下、ネタバレを含みます)
■ついに凶悪犯シカリウスと対面
パンデミックの最中に拡大した連続殺人犯ネットワークが巻き起こす事件の数々に追われてきたFBIの行動分析課、通称“BAU”。全米各地に潜む異常犯罪者を指揮する首謀者をシカリウスと呼び、BAUは執念の捜査を続けてきたが、ようやくシカリウスの拠点があると思われるエリアの特定に成功する。
昔ながらのやり方でエリア一帯の家をひとつずつ訪問することにしたロッシ(ジョー・マンテーニャ)。そしてシカリウスことイライアス・ヴォイト(ザック・ギルフォード)が家族と住む自宅に辿り着く。
突然の出来事に困惑する妻ブリジット(キーリー・サンチェズ)だが、典型的なサイコパスの妻タイプの彼女はなにかおかしいことに気づきながらも夫を信じることをやめず、ロッシに協力することを拒むのだった。
ヴォイトがシカリウスであることを確信しているロッシだが、ヴォイトはロッシの著書をすべて読み、ロッシの手の内を知っているため、そう簡単に隙を見せない。ロッシはなんとしてでも証拠を掴もうとするあまり一線を越えてしまい、ヴォイトに捕らわれてしまう。
■重要参考人がまさかの失踪
史上最大の凶悪犯とベテランプロファイラーが一進一退の攻防戦を繰り広げる中、BAUの仲間たちも確証を得るために奔走していた。そこで鍵を握るのが面通し。ずらりと並んだ顔写真から容疑者を特定するために呼ばれたのは、重要参考人のタイラー・グリーン(ライアン＝ジェームズ・ハタナカ)だった。
いまやガルシア(カーステン・ヴァングスネス)のボーイフレンドと言っても過言ではないタイラー。ガルシアはタイラーに公私に渡って信頼を寄せており、協力者としてオフィスに招くが、望むような答えを得ることはできなかった。
その後、タイラーは音信不通になり、失踪。実は、ロッシの携帯をハッキングして、追跡システムを紛れ込ませ、シカリウスを追うロッシを尾行していたのだった。プレンティス(パジェット・ブリュースター)の忠告を無視して関係を続けていたガルシアは、タイラーの裏切りによって、心にダメージを負っただけでなく、職場でも窮地に立たされてしまう。
■ファンが知りたかったキャラクターの過去が明らかに
史上最大の敵との闘いも終盤戦を迎える一方、深まりをみせるキャラクター描写もみどころ。2年ぶりの新シーズンとしてファンの元に戻ってきた本作だが、その間にあった出来事について深く説明されずにいた点があった。しかし本エピソードでそれぞれのキャラクターの過去がモノクロームで描き出され、知られざる過去が明かされた。
ベテラン捜査官ロッシは、シーズン当初、妻を亡くし自暴自棄になっている姿を見せていたが、今回妻を亡くしたのが2022年の1月だったことが明らかに。普段はチームを支える側であまり感情的に脆い姿を見せないロッシだが、悲しみのあまり無防備に泣き崩れ、観る者の涙を誘う。その傍で寄り添い、支えるプレンティスの優しさ、仕事仲間の関係を超えた友情にも胸を打たれる。
もうひとつファンが気になっていたのは、ルーク・アルヴェス(アダム・ロドリゲス)とガルシアの恋模様。シーズン15終了時には、アルヴェスがガルシアをデートに誘って幕を閉じていたが「―エボリューション」で二人の関係に注目してみると、いたって仲のいい同僚といった雰囲気。
ガルシアはスパイとして連続殺人犯ネットワークの首謀者シカリウスと接触した重要参考人のタイラーとキスをするなど、新たな恋に夢中といった様子で、ルークは嫉妬しないのか心配していたが、今回二人がデートに行っていたことが明らかになる。一度はデートに行った二人に何があったのか、きちんと伏線が回収されたおかげで、ガルシアとアルヴェスの今の関係がすとんと腑に落ちるファンも多いはず。
前代未聞の凶悪犯シカリウスに総力を集結して立ち向かう、愛すべきBAUチーム。命の危険にさらされているロッシの元に駆けつけ、事件を解決させることはできるのだろうか。最終話でどのようなフィナーレが待ち受けているのか、目が離せない。
◆文＝KanaKo
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