2023年7月に道路交通法の改正案が適用され、16歳以上なら免許・ヘルメットなしで利用できるようになる「電動キックボード」。一方、フランスにおいては住民投票が実施されるなど、社会問題にもなっているようです。規制緩和を控え、期待と不安が入り交じっている利用者も多いと思いますが、こうした中、弁護士ドットコム(東京都港区)が同社の登録弁護士を対象とした「電動キックボード」に関する調査を実施。その結果を発表しました。

「公道で使用するにはリスクが大きい」

 調査は2023年3月から4月にかけて、同社の登録弁護士にウェブアンケートを実施。109人から有効回答を得たものです。

 まず、今回の規制緩和について「どう考えるか」を聞いたところ、「賛成」が22.9%、「やや賛成」が12.8%だった一方で、「やや反対」が14.7%、「反対」が41.3%という結果に。「やや反対」「反対」を合わせると56%となり、半数以上の弁護士が「反対」と考えていることが分かりました。

 事故数について、「改正後、電動キックボードの事故は増加すると思うか」を聞くと、「増加する」が69.7%と圧倒的多数に。「やや増加する」を合わせると、全体の92.6%を占める結果となっています。

「新制度への期待と不安」については、期待の1位が「多くの人が簡単に使える」と「新しいサービスが生まれるきっかけになる」が同率(53.8%)と、イノベーションへの期待がうかがえた一方で、不安の1位は「周囲の歩行者の事故リスクが高まる」(95.1%)、「周囲を走る車や自転車の事故リスクが高まる」(77.0%)など、事故に関するものが上位となりました。

 また、電動キックボードの新制度についての意見を聞いたところ、「歩道走行禁止、原付と同等の規制を強くかけるべき」「現在の日本、特に人口密集地の道路状況からして、公道で使用するにはリスクが大きい。郊外など使用場所を限定するなどすべき」「海外では電動キックボードの規制を強化する方向で動いているし、事故を未然に防ぐためにヘルメット着用を義務化するべき」「街中の移動の利便性は向上する一方で、安全性やインフラ整備など課題も多いため、制度発足後も、議論が活発になると思われる」「保険への加入を義務付けるなどの制度を設けるべき」「技術革新を取り入れることは大切だと思います。ドローンや自動運転技術についても積極的に採り入れ、社会を便利にしていくべきです」「これを機に道路整備をしていく機運が高まることを願ってます」といったコメントが寄せられる結果となりました。

オトナンサー編集部

電動キックボードの規制緩和、どう思う?